米国で暗号資産の保有層が急速に広がっている。米全国暗号資産協会(NCA)が公表した調査によると、暗号資産保有者は6700万人に達し、成人の4人に1人を占めた。これと歩調を合わせるように、米議会では規制の枠組みを定める「2025デジタル資産市場クラリティ法案」の審議が進み、上院本会議での採決に関心が集まっている。
ブロックチェーン専門メディアのBeInCryptoによると、NCAは20日(現地時間)、Harris Pollと共同で実施した「2026暗号資産保有者現況報告書」を公表した。調査は米国の成人1万人を対象に行われた。
報告書では、暗号資産保有者が新たに1200万人増え、総数は6700万人に拡大した。州別ではカリフォルニアが950万人で最多となり、テキサスが594万人、フロリダが471万人、ニューヨークが466万人で続いた。NCAは、全州と連邦下院の全選挙区で一定規模の保有者層が確認されたとしている。
こうした統計の公表は、米議会で審議が進むクラリティ法案の動きと時期を同じくしている。同法案はこのほど上院銀行委員会で15対9で可決され、本会議採決に向けた段階に入った。下院はこれに先立ち、2025年7月に旧版を294対134で可決している。
法案はデジタル資産を性質ごとに分類し、商品に当たる資産は米商品先物取引委員会(CFTC)、証券に該当するトークンは米証券取引委員会(SEC)がそれぞれ監督する内容だ。上院本会議では、フィリバスターを回避するために60票の賛成が必要となる。
上院銀行委員会での採決では、共和党議員が全員賛成に回り、民主党からもルーベン・ガイェゴ上院議員とアンジェラ・オルスブルックス上院議員が賛成票を投じた。本会議でもこうした超党派の支持が維持されるかが焦点となる。
Rippleの最高法務責任者(CLO)でNCA会長を務めるスチュアート・アルデロティ氏は、「クラリティ法案は特定業界を守るためのものではなく、数兆ドル規模に成長した暗号資産経済に参加する一般の米国人に明確なルールを示すためのものだ」と強調した。そのうえで、「すでに6700万人の米国人が暗号資産を保有しており、立法が必要な局面に入っている」と述べた。
保有者の分布は、特定の党派色が強い地域に偏っていない。共和党優勢のテキサスやフロリダに加え、民主党優勢のカリフォルニアやニューヨークも上位に入っており、暗号資産保有層が今後の選挙で影響力を持つ有権者集団として浮上する可能性も指摘されている。
一方、ドナルド・トランプ大統領は、戦略的ビットコイン準備金に関する大統領令を通じて暗号資産政策を後押ししてきた。ホワイトハウスも関連制度の整備が進んでいるとの認識を示している。
市場では、上院本会議の採決結果に注目が集まっている。暗号資産の保有者基盤が急拡大するなか、委員会段階で示された超党派の支持が本会議でも維持されるかどうかが、米国のデジタル資産規制の行方を左右する。