写真=TikTok Korea

TikTokは、6月3日の第9回全国同時地方選挙を前に、韓国中央選挙管理委員会と連携し、アプリ内の「選挙センター」を通じて有権者を公式選挙情報へ誘導する取り組みを始める。選挙関連情報の流通が増えるなか、偽情報やAI生成コンテンツの拡散を抑え、信頼できる情報への接続を強化する狙いがある。

TikTok Koreaは20日、オンライン説明会を開き、選挙の公正性と信頼性を守るための対応方針や、AI生成コンテンツへの対策を説明した。説明会には、パク・サンヒョン氏(TikTok Koreaコミュニケーション統括)、ジェド・ホーナー氏(TikTokのオセアニア・北東アジア地域における高リスク政策統括)、キム・ヒス氏(同地域の信頼と安全担当政策マネジャー)が出席した。

TikTokは選挙対応の柱として、有害コンテンツの排除、信頼できる情報への利用者誘導、外部専門機関との連携を挙げる。選挙期間だけの臨時措置ではなく、平時から運用しているコミュニティガイドラインと安全対策の枠組みを、選挙の局面に合わせて適用する方針だ。

偽情報対策では、自動検知技術と人手による審査を組み合わせる。70以上の言語に対応する安全運用体制を整えており、韓国語コンテンツについては、国内の社会的・政治的文脈を踏まえて審査できる体制も活用する。

TikTokによると、直近の四半期透明性レポートでは、削除したコンテンツの99%に事前対応し、このうち86%は再生される前に削除した。

重点的な対処対象となるのは、選挙手続きを巡って利用者を誤導するコンテンツだ。特定の集団は投票できないといった虚偽情報は、有権者の投票参加を妨げるおそれがあるとして、ポリシー違反に当たると位置付ける。

このほか、偽アカウント、組織的な操作行為、出所を偽るコンテンツ、選挙関係者や特定集団を標的とした脅迫、ヘイト、暴力をあおる投稿も規制対象とする。韓国語コンテンツの偽情報対策では、グローバルのファクトチェック機関であるリード・ストーリーズと連携している。

リード・ストーリーズが韓国関連コンテンツの事実関係を検証すると、TikTokの信頼と安全チームが関連ポリシーを適用する。最終的な削除判断は外部機関に委ねず、TikTokが自社で決定する。

また、シン・ヨンソプ教授ら国内専門家を含むアジア太平洋地域の安全諮問委員会を通じて、偽情報やメディア環境への対応力も高めているという。

AI生成コンテンツ対策も、選挙対応の重要な柱に据える。実写と見分けがつきにくいAI生成コンテンツについては、クリエイターに自主的なラベル表示を求めるほか、C2PAなどの来歴確認技術やウォーターマーク技術も活用する。

自社の検知によってAI生成コンテンツだと確認した場合は、プラットフォーム側でラベルを付与することもある。ただし、AIラベルが付いているだけで自動的に掲載を認めるわけではない。

実在人物の発言や行動を虚偽に描いたり、実際には起きていない出来事を現実のもののように見せたりするコンテンツは削除対象とする。即時削除に当たらない場合でも、おすすめ欄での露出抑制、共有前の警告表示、未確認ラベルの付与といった措置を講じることがある。

政府、政治家、政党に関連するアカウントには追加の制限を設ける。政治広告の配信、選挙資金の募金、クリエイター向け収益化プログラムへの参加は認めず、迂回的な手法による政治広告もポリシー違反とする。

TikTokは、政治目的のコンテンツが広告機能や収益化機能と結び付いて過度に拡散するのを防ぐための措置だと説明している。

韓国中央選挙管理委員会との連携も具体化した。今回の地方選挙を前に、同委員会はTikTok上で公式アカウントの運用を開始。選挙日程や投票手続き、期日前投票の案内などを発信する公式チャネルとして活用する。

TikTokによると、同委員会による案内投稿の一部は、すでに2000万〜5000万回以上再生されたという。

アプリ内の選挙情報ページ「選挙センター」も運用する。候補者情報、投票所の位置、期日前投票の日程など、韓国中央選挙管理委員会の公式情報にリンクする仕組みで、TikTok独自の解釈を加えて選挙情報を提供するものではないとしている。

利用者が「地方選挙」「期日前投票」「投票所」などの関連キーワードを検索すると、「選挙センター」へ案内するバナーも表示する。

通報対応では、韓国中央選挙管理委員会のサイバー選挙犯罪対応チームと専用の連絡チャネルを設ける。同委員会が問題の可能性があるとして通報したコンテンツは、TikTokの信頼と安全チームが優先的に審査する。

政府機関から削除要請があった場合でも、自動的にコンテンツを削除することはない。コミュニティガイドラインと韓国国内法の双方に照らして違反の有無を検討し、対応を決める。

TikTokによると、選挙期間中は別途タスクフォースを設けて対応しており、選挙後も関連する対応体制を維持する計画だ。

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