米ミネソタ州で、KalshiやPolymarketなどの予測市場の州内運営を禁じる法律が成立した。Tim Walz知事が公共安全関連法に署名し、予測市場の運営禁止条項が盛り込まれた。施行は8月1日の予定だが、米商品先物取引委員会(CFTC)との監督権限を巡る対立に加え、農業目的取引を適用除外とする修正の行方が新たな焦点となっている。
Engadgetによると、Tim Walz知事は19日(現地時間)、公共安全関連法に署名した。法案には、予測市場の州内運営を禁じる内容が含まれている。
予測市場を巡っては、州政府が事業者を相手取って訴訟を起こす例が相次いできた。今回のミネソタ州の対応は、訴訟ではなく立法によって運営を制限する初の事例とみられる。ただ、この枠組みがそのまま定着するかはなお不透明だ。
米国内では複数の州が、KalshiやPolymarketといった予測市場事業者への法的対応を進めてきたが、州側の対応は訴訟面で難航している。先に動いた3州は、CFTCから逆提訴を受けた。CFTCは、予測市場の監督権限は連邦側にあると主張している。
連邦規制当局は、オハイオ州で進行中の追加訴訟にも意見書を提出しており、監督権限を巡る州と連邦の対立は一段と鮮明になっている。ミネソタ州の新法も、同じ論点を避けて通ることはできない。
一方で、CFTCがミネソタ州法に示した反論は、他州案件とはやや性格が異なる。今回は監督権限の問題だけでなく、農家が天候リスクに備えて利用する取引まで制限しかねない点を問題視した。作物被害リスクをヘッジする農業目的の取引が制約を受ける可能性があるとしている。
ミネソタ州法は当初、予測市場全般を広く制限する内容だったが、施行前に農業分野など一部用途を適用除外とする方向で修正される可能性が出ている。NPRは、農業目的の取引を例外とする修正案が承認される可能性があると報じた。実現すれば、連邦規制当局の懸念は一部和らぐ可能性がある。
今回の措置は、予測市場を巡る米国の規制手法の変化も映し出している。これまで州政府と事業者の対立は主に訴訟の形で表面化してきたが、ミネソタ州は法律による運営規制に踏み切ったためだ。ただ、連邦規制当局が複数の訴訟に関与しているうえ、施行前から修正の可能性も取り沙汰されており、この規制の枠組みがどこまで認められるかは見通せない。
予測市場は、選挙や経済指標、スポーツ、天候などさまざまな事象の結果に賭ける仕組みで、近年影響力を急速に拡大してきた。ミネソタ州の禁止法は、州による規制が訴訟対応から立法へ広がるかを占う材料となりそうだ。当面は、8月施行の行方に加え、農業目的取引の適用除外が最終的に盛り込まれるかが最大の注目点となる。