Googleは、AI生成・編集画像の識別機能をAndroidの「Circle to Search」、Google Lens、Chrome、Google検索に広げる。独自のウォーターマーク技術「SynthID」を基盤に、画像の出所や編集履歴を確認しやすくする狙いだ。
米ITメディアEngadgetなどが19日(現地時間)に報じた。Googleは、これまでSynthIDの専用検出ツールやGeminiアプリを中心に提供してきた機能を、検索やブラウザー、モバイルのビジュアル検索に順次展開している。
Androidユーザーは今後、画面上の画像を長押しして検索する「Circle to Search」で、その画像がAI生成かどうかを確認できるようになる。Google LensやChrome、Google検索でも、「この画像はAIで生成されましたか」といった質問に対応する。
Googleによると、この機能は単純な判別にとどまらない。場合によっては、画像の来歴情報まで表示できるという。例として、ある画像がPixelで最初に撮影され、その後GoogleフォトのAI支援ツールで編集されたことを確認できたとしている。
SynthIDは、GoogleのAIツールで生成または編集したコンテンツに、目に見えないメタデータを埋め込むウォーターマーク技術だ。Googleは昨年のI/OでSynthIDの検出ツールを公開し、Geminiアプリに統合。その後、対応範囲をChromeやGoogle検索にも広げてきた。
もっとも、すべてのAI編集画像について、同じ精度で識別したり、同等の来歴情報を示したりできるわけではない。GoogleはPixel 10の標準カメラアプリに、業界標準のウォーターマークの枠組みである「コンテンツ認証情報」を導入し、Pixel 8とPixel 9にも対象を広げている。
Googleによれば、自社の端末やサービスで撮影・編集した画像については比較的豊富な出所情報を示せる一方、他社のAIプラットフォームで作成されたコンテンツを同じように識別するには限界がある。
こうした制約を補うため、Googleは外部企業との連携も進める。OpenAI、Kakao、ElevenLabsと、より多くのAI生成コンテンツにSynthID技術を適用することで合意した。
OpenAIはブログで、ChatGPT、Codex、OpenAI APIで生成した画像から統合を始めると明らかにした。
コンテンツ認証情報への対応も拡大する。GoogleはGeminiアプリで同規格のサポートを開始し、ChromeとGoogle検索との連携も今後数カ月以内に追加する予定だ。
Googleは、SynthIDに加えて業界標準の仕組みも併用しながら、AI画像の識別対象を広げる戦略を本格化させる。
ただ、Google自身も、ウォーターマークに基づく識別技術が万能ではないことは認めている。あらゆるAIウォーターマーキングの仕組みが完全ではなく、検出ツールやウォーターマークを回避する手法も存在するとしている。
それでも、AI生成コンテンツの高度化と拡散が進むなか、ユーザーが目の前の画像の来歴を確かめる手段を広げる構えだ。