暗号資産取引所Upholdのナンシー・ビートン社長は、XRPへの関心が個人投資家と機関投資家の双方で強まっているとの見方を示した。個人はXRP Ledger上での融資機能やAMMを活用した利回り機会に、機関は実物連動資産(RWA)のトークン化に注目しているという。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」が19日(現地時間)に報じた。ビートン氏はイベント「XRP Las Vegas(XRPLV)」で、個人投資家はXRPを保有したまま収益機会を得られる仕組みに関心を寄せる一方、機関投資家はブロックチェーンベースの金融インフラへの移行を見据えていると説明した。
個人投資家の関心の中心にあるのは、XRP Ledgerで導入が検討されている融資機能だ。XRPを手放さずに収益を得られる仕組みとして期待が集まっている。
この機能は、XRP LedgerのXLS-66融資プロトコルとXLS-65の単一資産ボルトを組み合わせた仕組みとして構想されている。実装されれば、利用者はXRPまたはRLUSD建ての単一資産ボルトに資金を預け、オンチェーン上で資産の管理権限を維持しながら利回りを得られる。借り手は固定金利と返済期間を定めたストラクチャードローンや無担保ローンを利用でき、初回損失に備えた元本保護の仕組みも組み込まれる想定だ。
もっとも、実装にはなお時間を要する見通しだ。XLS-66d改定案は、2026年1月末のXRPL v3.1.0公開後にバリデーター投票に付された。実装には2週間連続で80%の賛成が必要だが、足元の賛成率は22.86%にとどまっている。それでもEvernodeは同システムの活用計画を公表しており、XRPコミュニティでは年数十億ドル規模の収益機会につながる可能性を指摘する声もある。
既存の運用手段も広がっている。XRP Ledgerは2024年、XLS-30を通じて自動化マーケットメイカー(AMM)機能を導入した。これにより、流動性提供者は取引手数料を得られるようになり、個人投資家にとっては単純保有以外のオンチェーン運用手段が増えた格好だ。
一方、機関投資家の関心はRWAのトークン化に向かっている。ビートン氏は、伝統的な金融機関がブロックチェーン技術の活用を進めるなか、XRP Ledgerはその流れの恩恵を受けやすい位置にあると強調した。トークン化機能へのネイティブ対応に加え、高速かつ低コストの処理性能、コンプライアンス機能を備える点が機関需要に合致するとしている。
実際、指標面でもこうした動きが表れている。XRP Ledger上のトークン化RWA残高は直近30日で14億ドル増え、合計39億ドルに達した。同期間のRWA分野で最も高い伸びを示したネットワークとされる。
機関向けの提携も進む。英国のデジタル資産取引所Archaxは、運用会社abrdnのリクイディティ・ファンドへのトークン化アクセスを提供した。Ondo Financeも、米国債をトークン化した商品「OUSG」をXRP Ledger上で展開し、RLUSDとも連携している。
XRPを巡る関心は、価格そのものより用途拡大へと軸足を移しつつある。個人は融資や流動性提供による収益機会を、機関はトークン化資産の発行やオンチェーン金融基盤としての活用を見極めている。今後の焦点は、XLS-66d改定案がバリデーターの承認を得られるかどうかと、機関向けトークン化商品の拡大がどこまで進むかにある。