SpaceXが新規株式公開(IPO)に向け、主幹事トップにGoldman Sachsを起用し、目論見書の公表準備を進めていることが分かった。CNBCが19日(現地時間)に報じた。4月には米証券取引委員会(SEC)に上場申請書類を非公開で提出しており、早ければ21日にも目論見書を公表する可能性があるという。
報道によると、主幹事団はGoldman Sachsが最上位となり、Morgan Stanleyがこれに続く見通し。さらにBank of America、Citigroup、JPMorgan Chaseも加わるとみられる。主幹事の序列は、目論見書の記載順や投資家向けマーケティングでも意味合いが大きく、市場では今回の布陣を上場準備本格化のシグナルと受け止める向きがある。
今回のIPOは、規模の面でも記録級になる可能性がある。SpaceXは2月、イーロン・マスク氏が自身の人工知能(AI)スタートアップxAIと同社を統合したことで、企業価値が1兆2500億ドルと評価された。これに近い水準で上場すれば、米株式市場でも屈指の大型IPOになる公算が大きい。
米国市場に上場したテック企業のうち、初日の取引ベースで1000億ドル超の評価を得たのはFacebookとAlibabaの2社しかない。直近では、AIチップ企業のCerebrasがナスダック上場後、時価総額約950億ドルで取引を終えた。AI関連の大型上場への期待が高まるなか、SpaceXがその流れを一段と強めるとの見方も出ている。
SpaceXは、OpenAIやAnthropicに先んじて公開市場入りする可能性もある。両社はいずれも未上場市場で1兆ドルに近い評価を受けており、早ければ年内の上場を検討しているという。SpaceXが先に目論見書を公表すれば、大型テックIPO競争で一歩リードする構図となる。
上場準備の進展は、マスク氏を巡る最近の法廷判断とも時期が重なる。マスク氏は2024年、OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)を相手取って提訴したが、カリフォルニア州オークランドの陪審団は19日、提訴までに時間をかけ過ぎたと判断した。この評決は、イヴォンヌ・ゴンザレス・ロジャース連邦地裁判事が直ちに受け入れた。
マスク氏はこの判断について「カレンダー上の技術的な問題だ」と反発し、控訴する意向を示した。SpaceXは、上場準備に関するコメント要請に直ちには応じなかった。
目論見書が実際に公表されれば、市場の関心は公募の枠組みや事業リスク、財務情報に加え、マスク氏の支配力やxAI統合後の評価根拠にも集まりそうだ。企業価値がすでに1兆2500億ドルまで膨らんでいるだけに、公募の成否だけでなく、上場後に市場がこの評価をどこまで受け入れるかが最大の焦点となる。