Kakaoは5月20日、Google DeepMindとAI生成コンテンツの透明性確保に向けた技術提携を結んだと発表した。自社AI「Kanana」にGoogle DeepMindのデジタル透かし技術「SynthID」を導入し、ディープフェイクや偽情報の拡散防止につなげる。Kakaoによると、SynthIDの導入はアジア企業として初めてという。
今回の提携により、Kakaoは自社AIモデル「Kanana」にSynthIDを適用する。SynthIDは、Google DeepMindが開発したAI生成コンテンツ向けの識別技術で、画像やテキスト、音声、動画に人の目や耳では判別できないデジタル透かしを埋め込み、AIによって生成されたコンテンツかどうかを確認できる。
Kakaoは2026年下期から、画像モデル「Kanana Collage」と動画モデル「Kanana Kinema」にSynthIDを段階的に適用する予定だ。
まずはKakaoTalkの「Kananaテンプレート」機能に導入する。同機能は、KakaoTalkでやり取りした画像を活用し、AIで短い動画を生成するもので、「Kanana Kinema」を基盤としている。従来は生成動画にロゴを表示していたが、SynthIDの導入後は、編集や再加工が加えられた場合でもAI生成物であることを判別しやすくなるとしている。
今回の取り組みは、2026年にAI基本法が施行され、AI生成物の表示制度が本格導入されることを見据えた先行対応でもある。Kakaoは法的義務への対応にとどまらず、不可視のデジタル透かし技術を導入することで、プラットフォームの信頼性向上につなげる考えだ。
キム・ギョンフン氏(KakaoのAIセーフティリーダー)は、「AI技術が日常に急速に広がる中、AI生成コンテンツの透明性と信頼性を確保する重要性も高まっている」とコメントした。そのうえで、「SynthIDの適用を起点に、責任あるAIの分野でGoogleとの技術協力を継続し、利用者が安心して使える安全なAIサービスを提供していく」と述べた。
プシミット・コリ氏(Google DeepMindの科学・戦略イニシアチブ部門バイスプレジデント)は、「AI生成コンテンツの識別には、効果的な協力が不可欠だ」としたうえで、「業界をリードする企業とのパートナーシップを通じてSynthIDの適用先をさらに広げ、誰もが信頼できる透明性の高いデジタル生態系の構築に向けた重要な一歩を踏み出している」と語った。