Hitachiは社内導入と顧客向け事業を一体で進める。写真はイメージ[写真:Shutterstock]

HitachiはAnthropicと提携し、グループ約29万人を対象に生成AI「Claude」の導入を進める。社内の生産性向上に加え、社会インフラ向けソリューション「HMAX by Hitachi」の機能強化や、開発・運用・保守、サイバーセキュリティ領域への適用拡大も狙う。

協業はまず社内導入から始める。Hitachiは自社を「Customer Zero」と位置付け、運用を通じて得た知見やデータを顧客向けソリューションに反映する方針だ。

具体的には、ソフトウェア開発工数の削減、企業業務の効率化、ハードウェアの保守・運用の自動化に生成AIを活用する。あわせて、約10万人を対象に、日常業務でAIを使いこなせる人材を育成するプログラムをAnthropicと共同で始める。

顧客向けでは、社会インフラ分野を主軸に据える。Claudeのコード生成や分析の機能と、Hitachiのシステムエンジニアリング力を組み合わせ、電力、交通、製造、金融分野のシステム開発・運用の高度化を目指す。

HMAX by HitachiにはClaudeの推論機能を組み込み、自然言語による設備管理や、保全業務の最適化を支援する。同社は、ミッションクリティカルな産業現場でAIの適用範囲を広げる考えだ。

セキュリティ分野でも協業する。Hitachiの専門組織「Cyber CoE」はAnthropicと連携し、サイバー攻撃の検知や対応体制を強化する。AIの活用を業務自動化にとどめず、現場システムやセキュリティ領域へ広げる狙いだ。

両社は推進体制も整える。Hitachiはグローバル組織「Frontier AI Deployment Center」を設立し、北米、欧州、アジアをまたぐ体制で共同プロジェクトを進める。

発足当初は、Anthropic側のAI担当者と、HitachiのIT、OT、製品、セキュリティの専門人材を合わせた約100人規模のチームで始動する。将来的には300人規模への拡大を目指す。

今回の発表は、日本の大手IT企業とAnthropicの連携が広がる中で打ち出されたものでもある。Anthropicは4月、NECとの協業も発表している。

NECは日本企業として初めてグローバルパートナーとなり、グループ3万人に「Claude Code」を展開した。

Hitachiは今回の提携を通じて、社内業務改革と顧客向け事業の拡大を並行して進める。社内で先行導入し、そこで得た知見を顧客システムに横展開するモデルが、電力、交通、製造、金融など社会インフラ分野でどこまで早期に実績へ結び付くかが焦点となる。

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