エリザベス・ウォレン氏 写真=Shutterstock

米民主党で暗号資産規制に強硬な立場を取るエリザベス・ウォレン上院議員が、米通貨監督庁(OCC)による暗号資産企業への認可手続きを問題視している。銀行に類似したサービスを提供しながら、既存の銀行規制を回避できる余地が生じているとの見方だ。

現地メディアのCoinPostによると、ウォレン議員は18日、ジョナサン・グールドOCC長官宛てに書簡を送り、2025年12月以降に暗号資産関連9社へ付与された全国信託認可の適法性について説明を求めた。

対象には、Coinbase傘下のCoinbase National Trust Companyや、Ripple関連のRipple National Trust Bank(RNTB)などが含まれる。

ウォレン議員は、これら企業の事業計画が全国信託会社制度の趣旨から外れていると主張した。Coinbaseは申請書で、受託顧客向けにステーキング、融資、取引サービス、決済商品を提供する計画を示したとされる。Protego傘下のNational Digital Trust Companyについても、受託業務に加え、取引、貸し付け、借り入れ、プラットフォーム運営を事業に含めているという。

同議員は「9社のいずれも、受託業務が中核事業であることを示していない」と指摘した。米国国家銀行法では、全国信託会社は受託者、遺言執行者、後見人のように、受益者に代わって資産を管理する限定的な業務を担う機関と位置付けられている。

その一方で、一般の銀行とは異なり、連邦預金保険公社(FDIC)保険への加入義務や、銀行持ち株会社法に基づく一部監督の対象外となる可能性がある。

ウォレン議員は、こうした仕組みが暗号資産企業に規制裁定を与えかねないと批判した。銀行に類似したサービスを提供しながら、既存の銀行規制を回避するルートとして使われる恐れがあるという。

とりわけ問題視しているのが、OCCが今年3月に公表した最終規則だ。同議員は、この規則が全国信託会社に認められる業務範囲を過度に広げた可能性があるとみている。どのような法的根拠で認可を承認したのかを確認するため、関連する申請書と内部の連絡記録一式を6月1日までに提出するよう求めた。

暗号資産企業に対する連邦レベルの認可を巡っては、年初から政界の圧力が続いている。2月には米下院の民主党議員41人が、スコット・ベセント財務長官宛ての共同書簡で、World Liberty Financial(WLF)子会社のWTLC Holdingsによる全国信託銀行の認可申請審査について説明を求めていた。

業界では、今回の論争が単なる資料提出要求にとどまらず、暗号資産企業に対する連邦認可の枠組み全体の見直しにつながる可能性があるとの見方が出ている。OCCが信託認可を通じて暗号資産事業をどこまで認めるのか、また既存の銀行規制との整合性をどう確保するかが、今後の主要な論点になりそうだ。

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