XRPは取引活動の鈍化とレバレッジ縮小を背景に、ボラティリティが大きく低下している。市場では膠着感が強まっている一方、材料次第では大きな値動きにつながる可能性もあるとの見方が出ている。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが19日(現地時間)に報じたところによると、CryptoQuantのアナリスト、CryptoOnchainは、XRPが現在、値動きの乏しい局面にあると分析した。もっとも、今後マクロ経済やファンダメンタルズ面で強い材料が出れば、価格が急動意する余地があるとしている。
市場の焦点は足元の値動きそのものよりも、参加者の減少にある。XRPは5月14日に1.58ドルまで上昇したが、その後は暗号資産市場全体の下落に連れて軟化した。米国の高インフレ指標の発表後には、下押し圧力も一段と強まった。
オンチェーン指標も減速を示している。XRP Ledgerの1日当たり取引件数は3カ月前に比べて20%減少し、足元では約178万件まで落ち込んだ。CryptoOnchainは、ネットワーク活動の鈍化が実需の弱まりを映しているとみている。
デリバティブ市場でも同様の傾向が確認された。Binanceの資金調達率はマイナス0.003となり、マイナス圏に沈んだ。1日当たりの清算額も数千ドル規模まで縮小し、99%減少した。CryptoOnchainは、こうした動きについて、市場参加者の関心が細った局面でみられる典型的なシグナルだと指摘した。先物市場では投資家心理がやや弱気に傾き、ショートポジション維持のコストを支払う状況になっているという。
一方、デリバティブ市場の状況を一方的に弱気とみるべきではないとの見方も示した。Binanceの推定レバレッジ比率は0.173と、直近6カ月の高値である0.260を大きく下回っている。過度なレバレッジが解消されたことで、急激なショートスクイーズやロングスクイーズが発生しやすい構造は弱まったとみられる。方向感の乏しい相場ではあるが、大きな値動きの前触れと解釈する余地もある。
CryptoOnchainは、流動性が低下した局面の後には価格変動が起こりやすいとし、市場が次の上昇局面に向けて調整を進めている可能性があると述べた。相場が動き出すきっかけとしては、マクロ要因やファンダメンタルズに関する材料を挙げている。
テクニカル面でも、同様の警戒感が示されている。市場アナリストのアリ・マルティネズは、XRPの3日足チャートでボリンジャーバンドの幅が1年以上で最も狭い水準まで縮小したと明らかにした。ボラティリティがここまで圧縮されると、その後に値幅が急拡大するケースが多いという。
アリ・マルティネズは、1.50ドルから1.29ドルまでのレンジを、方向感が出るまで手掛けにくいゾーンと位置付けた。拙速に参入するのではなく、上放れか下放れかを確認してから対応すべきだとしている。3日足の終値が1.50ドルを上回れば上昇モメンタムが確認され、次の目標は1.80ドルになる可能性がある。反対に、終値で1.29ドルを下回れば強気シナリオは後退し、心理的節目の1ドルまで下押しする可能性があると付け加えた。
足元のXRP市場は、単なる価格下落局面というより、取引減少、レバレッジ縮小、流動性低下が同時に進む局面にある。明確な材料が出るまでは狭いレンジ相場が続く可能性がある一方、ひとたび方向感が定まれば、値動きが一気に拡大する展開も想定される。