Bitcoin 写真=Shutterstock

Bitcoinでは短期保有者の損切り売りが強まり、相場の下押し圧力が高まっている。オンチェーン指標や資金フローの動向からは、当面の下値めどとして6万5000ドル近辺が意識されている。

Cointelegraphが19日(現地時間)に報じたところによると、足元の下落は、米国とイランを巡る地政学リスクの高まりを背景に、暗号資産市場全体で投資家心理が悪化するなかで進んだ。

Bitcoinは5月6日に付けた直近高値8万2800ドルから約7%下落した。8万2000ドル近辺にある200日移動平均線を明確に上抜けできず、日足終値も市場の平均取得コストを示す指標を下回った。短期保有者の平均取得単価とされる7万8000ドルも、上値抵抗として意識されている。

CryptoQuantによると、保有期間155日未満の短期保有者は19日、1万BTC超をBinanceへ移動した。当時のBitcoin価格は約7万6900ドルで、これら投資家の平均取得価格である7万8440ドルを下回っていた。直近の買い手が、約7億6900万ドル(約1108億円)相当のBitcoinを含み損の状態で取引所に移した計算になる。

CryptoQuantのアナリスト、アムル・タハは、こうした動きについて、短期保有者のストレスの高まりや調整局面での売り圧力を示すものだと指摘した。短期の投機資金が急落局面で恐怖感から損失を確定するパターンは過去にも繰り返されてきたという。2025年11月中旬にも類似の動きが見られ、その後Bitcoinは5日足らずで9万6000ドルから7万8400ドルまで15%下落した。

市場には含み損を抱えた保有残高も多い。Glassnodeは、現在含み損の状態にあるBitcoinが780万BTCを超えるとしたうえで、市場が構造的な再上昇に向かうには、まずこの供給を吸収する必要があるとの見方を示した。価格が反発しても、戻り売り待ちの供給が上値を抑える可能性があるとしている。

機関投資家マネーの動きも弱い。米国のBitcoin現物ETFは直近8営業日のうち6営業日で純流出となった。19日の純流出額は6億4860万ドル(約939億円)と、1月29日以来の大きさだった。さらに、5月15日までの週ベースでは、世界のBitcoin投資商品から9億8150万ドル(約1422億円)が流出した。

テクニカル面でも不安定な動きが目立つ。Bitcoinは5営業日連続で陰線を付け、暗号資産アナリストのアレックス・マルゼルは「市場モメンタムが再び下落方向に傾き始めた」と述べた。MNキャピタル創業者のマイケル・バン・デ・ポペも「現在の流れは良く見えない」としつつ、7万4500〜7万6000ドルのサポート帯を維持できれば、相場が再び勢いを取り戻す可能性があるとの見方を示した。

中長期の指標も、一定の下値余地を示している。保有期間分布を追跡するHODLウェーブは、弱気局面が続いた場合の下値のめどが6万5500〜7万500ドルとなる可能性を示唆した。CryptoQuantのサニー・マムは、長期保有者比率が過去より高まっており、機関投資家の採用拡大を反映していると分析した。供給構造が過去のサイクルより強固になっているぶん、今回の調整局面では底入れの形がこれまでと異なる可能性があるとしている。

短期的な焦点は7万6000ドルだ。50日単純移動平均線が位置する同水準を割り込めば、6万5000ドル近辺まで下落余地が広がる可能性がある。短期保有者の損切り、ETFからの資金流出、現物需要の鈍化が同時に続くかどうかが、次の値動きを左右する焦点となる。

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