写真=Shutterstock。原油高と米長期金利の上昇を背景に、ビットコインは7万7000ドル台を回復できなかった。

ビットコインは7万7000ドルを下回る水準で推移し、軟調な値動きとなった。原油高に加え、米長期国債利回りが2007年以来の高水準まで上昇し、株式や暗号資産に対する逆風が強まった。

19日(現地時間)、Cointelegraphによると、BTC/USDは月間安値圏で推移した。前日の安値は割り込まなかったものの、ウォール街の取引開始前後も7万7000ドル台を回復できなかった。

この日の相場で最大の材料となったのは米国債市場の動きだ。米30年国債利回りは2007年7月以来の高水準まで上昇した。長期金利の上昇は株式市場の重荷となったほか、金や銀にも売りが広がった。金現物のXAU/USDは1オンス当たり4500ドルを割り込み、3月末以来の安値水準まで下落した。

Saxo Bankの商品戦略責任者オレS・ハンセン氏は、長期債が売られている背景として、戦争に伴うエネルギーインフレと財政赤字拡大への懸念を挙げた。同氏は「市場は長期債保有に対して、より大きな補償を求めている」と指摘。その上で、市場が原油、インフレ期待、国債利回り、中央銀行の金利見通しに敏感に反応しており、その流れが金価格を1オンス当たり4500ドル割れの水準まで押し下げたとの見方を示した。

地政学リスクを巡っては、ドナルド・トランプ米大統領がイラン空爆計画を中止したとの報道が伝わったが、市場では目立った買い戻しは広がらなかった。トランプ大統領はSNS「Truth Social」で、「湾岸地域の国々が交渉に失敗する場合、いつでもイラン攻撃に備えなければならない」と述べた。

暗号資産市場では、アナリストのミハエル・ファン・デ・ポッペ氏が、ビットコインの重荷として米国債利回りの上昇と原油高を挙げた。これらはいずれもビットコインを含むリスク資産にとって好材料ではなく、相場が勢いを取り戻すには流れの反転が必要だとした。

価格面でも警戒感は残る。ファン・デ・ポッペ氏は「ビットコインのチャートは良くない」との見方を示した。一方で、足元は極めて重要な支持帯に位置しており、この水準を維持できるかが短期的な焦点になると指摘した。

こうした状況を踏まえると、市場の関心は目先の自律反発よりもマクロ環境に向かっている。ビットコインは前日の安値を維持しているものの、長期金利と原油価格が高止まりすれば、リスク資産全体の戻りは限られる可能性がある。逆に、債券利回りの上昇やエネルギー価格への圧力が和らげば、支持帯の維持を足掛かりに反発余地が広がる可能性もある。

今回の値動きは、ビットコインが暗号資産固有の材料よりも、金利や原油、地政学といったマクロ要因により敏感に反応していることを改めて示した。短期的には、主要な支持帯を守れるかどうかが、相場の地合いを見極めるうえで重要なポイントとなる。

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