写真=5月19日に米ラスベガスで開幕した「Dell Technologies World 2026」の会場。Dell Technologies提供

【ラスベガス】Dell Technologiesは5月19日(現地時間)、米ラスベガスで開催した年次イベント「Dell Technologies World 2026(DTW 2026)」で、データセンター向けの新製品群を発表した。ストレージ、サーバー、データ保護、プライベートクラウド、自動化ソフトウェアを刷新し、AIワークロードに対応するインフラ需要を取り込む狙いだ。

今回の発表では、既存システムの安定運用を維持しながら、AI時代に求められる性能や運用効率の向上を図る製品群をそろえた。

◆「PowerStore Elite」投入、性能と容量を強化

ストレージでは、エンタープライズ向け新製品「Dell PowerStore Elite」を発表した。AIベースのソフトウェア、次世代ハードウェア、無停止でのモダナイゼーション機能を組み合わせた、オープンアーキテクチャのストレージプラットフォームとして展開する。

Dell PowerStore Eliteは、前世代比で性能と高密度化をそれぞれ最大3倍に高めた。単一の3Uアプライアンスで最大5.8PBの有効容量を提供し、6対1のデータ削減保証にも対応する。ドライブ、コントローラー、ネットワークなどの主要コンポーネントをモジュール化し、オンサイトでのアップグレードを可能にした点も特徴としている。

サーバー分野では、第18世代の「Dell PowerEdge」ポートフォリオを拡充した。空冷・水冷の設計を強化し、最大70%の性能向上と最大13対1のサーバー統合効果を実現するとしている。これにより、同一のデータセンタースペースで計算性能を高めながら、電力、冷却、ソフトウェアライセンスにかかるコストの削減を見込む。

水冷サーバー「Dell PowerEdge M9825」は、第6世代AMD EPYCプロセッサを搭載し、AIおよびHPC(高性能計算)ワークロード向けに設計した。工場で統合構成したIR7000ラックに搭載することで、高密度AIインフラ導入時のリスクを抑え、安定した性能を提供するとしている。空冷サーバーの「Dell PowerEdge XE5845」と次世代の「Dell PowerEdge XE7845」は、PCIeベースのAIインフラにより高い柔軟性をもたらすという。

汎用データセンターやエンタープライズワークロード向け製品も拡充した。「Dell PowerEdge R9825」と「Dell PowerEdge R9815」は、第6世代AMD EPYCプロセッサを採用し、1システム当たり最大256コアと強化したI/O帯域を提供する。「Dell PowerEdge R9810」は、次世代Intelサーバープロセッサ「Diamond Rapids」を搭載したハイエンドのシングルソケット2Uサーバーで、メモリ帯域を2倍、コア数を最大50%拡大し、大規模な仮想化や分析ワークロードへの対応力を高めたとしている。

◆データ保護とプライベートクラウドも強化

Dell Technologiesは、サイバーレジリエンス分野の強化策も打ち出した。AIを使った攻撃やランサムウェアの脅威が高度化するなか、検知から保護、復旧までを一元的に運用できる体制の構築を重視する。

「Dell PowerProtect One」は、重要データの保護、脅威の検知、迅速な復旧を支援するサイバーレジリエンスプラットフォームだ。既存の「Dell PowerProtect Data Manager」が持つ保護管理・オーケストレーション機能と、「Dell PowerProtect Data Domain」のバックアップストレージを単一の制御基盤に統合した。管理負荷を最大50%削減し、大規模な復旧にも対応できるとしている。

ランサムウェア対策も強化した。「Dell Cyber Detect」のAIベースのランサムウェア検知機能を、「Dell PowerStore」と「Dell PowerMax」のエンタープライズストレージに直接連携できるようにした。数千種類のランサムウェア亜種を学習し、バイトレベルでデータを分析して脅威を検知するという。

データセンター運用の簡素化に向けたソフトウェア群も発表した。「Dell Private Cloud」は、「Dell Automation Platform」を通じて提供する。Broadcom、Microsoft、Nutanix、Red Hatなど主要クラウドスタックを、同社のオープンな分離型インフラ上で構築・運用できるよう支援する。既存のHCI(ハイパーコンバージドインフラ)と比べて、最大65%のコスト削減効果があると説明している。

エッジや分散環境向けの「Dell Distributed Private Cloud」も機能を強化した。2ノードの高可用性クラスタ、自動フェイルオーバー、仮想マシン(VM)のライブマイグレーション、ゼロトラストセキュリティ機能、ゼロタッチ導入支援により、分散サイトの運用負荷を軽減する。

AIベースの自動化も、今回の発表の柱の一つと位置付けた。「Dell Automation Platform」は、生成AIベースのユーザー体験とエージェンティックインテリジェンスを組み合わせ、インフラの設計、運用、管理を支援する。「Dell Automation Studio」は、既存のツールやプロセスを活用し、コンピュート、ストレージ、ネットワークの自動化ワークフローを構築できるようにする。

Dell Technologiesは「モダンデータセンターは、ITをよりシンプルにするインテリジェントなソフトウェアによって形作られる」としたうえで、「新製品全体に適用したエージェンティック自動化により、複雑なワークロードを安定して運用し、将来の要件に応じて進化できる」と述べた。

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