米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した「2025年米国家計の経済的幸福度調査(SHED)」で、米国の成人のうち約10%が暗号資産を利用・保有していることが分かった。2022年以降で最も高い水準となる。一方で、利用の中心は引き続き投資・保有で、決済目的での利用は限定的だった。
CoinPostが19日(米東部時間)に報じた。FRBが5月に公表した同調査によると、暗号資産の利用率は回復したものの、主な用途はなお投資・保有に偏っている。
物品購入や知人への送金に暗号資産を使ったと答えた成人は、全体の2%未満だった。FRBも、暗号資産の用途の大半は投資・保有だと指摘した。
保有・利用経験はいずれも前年を上回り、米国で暗号資産への需要が持ち直していることがうかがえる。ただ、日常的な決済手段としての浸透はなお限定的だ。
決済利用の背景にも特徴があった。暗号資産で支払った利用者のうち25%以上は、店舗や個人など受取側が暗号資産での支払いを望んだと回答した。消費者が自発的に選択したというより、受取側の意向が利用を後押ししたケースが一定数あったことを示している。
銀行口座を持たないアンバンクド層では、暗号資産の決済利用が相対的に多かった。調査では、アンバンクドの成人の6%が暗号資産を決済に利用したと回答し、銀行口座を持つ成人の2%を大きく上回った。2025年時点で米国成人の約6%がアンバンクドであることを踏まえると、伝統的な金融サービスへのアクセスが限られた層で、暗号資産が代替的な手段として利用されている可能性を示している。
年代別では30~44歳の利用率が最も高く、18~29歳がこれに続いた。性別では男性の利用率が女性の約3倍だった。世帯年収10万ドル以上の高所得層でも、利用比率の高さが目立った。
今回の調査は、米国の暗号資産市場が持ち直しつつあることを示す一方、利用実態が依然として投資中心であることも浮き彫りにした。全体の利用率は3年ぶりの高水準となったが、決済利用の比率はなお2%未満にとどまっている。米国では当面、投資需要を軸としつつ、銀行サービスへのアクセスが限られた層による限定的な決済利用が併存する状況が続きそうだ。