米上院で審議中のCLARITY法案に盛り込まれた利払い制限条項が、USDCを発行するCircleの事業モデルに有利に働く可能性がある。Bernsteinは、同条項がステーブルコイン発行体の金利競争を抑制し、Circleの収益基盤を守る効果を持ち得ると分析した。
CoinpostやThe Blockなど海外メディアによると、米上院銀行委員会は14日、同法案の修正案を15対9で可決した。焦点となっているのは、ステーブルコイン保有者への報酬の扱いだ。修正案では、利用者が単純に保有するステーブルコイン残高に対し、銀行預金と実質的に同等の利息を支払うことを禁じた。
一方で、取引や決済、サービス利用の実績に応じた報酬は認める内容となっている。
Bernsteinは、こうした枠組みがCircleに有利に作用するとみる。CircleはUSDC残高そのものに直接利回りを付けるのではなく、Coinbaseなどのパートナーを通じて、利用実績に連動した報酬プログラムを展開しているという。同社は、このモデルが法案で認められる余地があるとみている。
焦点は、発行体間の金利競争をどこまで抑えられるかにある。Bernsteinは、この条項によって、高い利回りを前面に出してシェア拡大を狙う動きが難しくなると見通した。
規模の小さい発行体が高い報酬で顧客を獲得する手法が制限されれば、CircleはUSDCの準備資産から得る運用益を維持しやすくなるという。
市場規模は足元で拡大している。ドル連動型ステーブルコインの総供給量は18日時点で初めて3000億ドル(約45兆円)を超えた。
最大シェアはTetherのUSDTが握り、USDCがこれに続く。両銘柄で供給全体の約97%を占めており、金利競争を制限するルールは大手発行体に有利に働く余地がある。
もっとも、法案の成立はなお不透明だ。上院本会議での可決には60票が必要で、可決後も成立までにはなお手続きが残る。
予測市場のPolymarketは年内成立確率を62%とみており、TD Cowenは40%と推計した。民主党のルビン・ガジェゴ議員は、公職者による暗号資産を巡る利益相反を扱う「倫理条項」が解決されなければ反対票を投じる考えを示している。
上院本会議での採決時期を巡っても見方は分かれる。暗号資産取引所Geminiは、上院が30日以内に本会議採決に踏み切るとの見方を示した。
一方、エリノア・テレットは、可能性はあるものの確定的ではないとし、他法案との日程競合を変数として挙げた。
このため、利払い制限条項が実際にCircleに制度上の優位性をもたらすかどうかを見極めるには、本会議採決とその後の立法手続きの行方を見守る必要がある。
ステーブルコイン市場が大手発行体中心に再編されるなか、報酬設計を巡る規制のあり方は、発行体間の競争環境を左右する重要な要素として浮上している。