個人情報保護委員会は5月19日、生成AIの利用時に生じやすい個人情報保護上の疑問に対応するため、生成AIサービス利用者向けの個人情報保護ガイドを公表した。
同委員会によると、これまでは企業や機関の責任強化と制度整備に重点を置いてきたが、今回のガイドでは、生成AI時代の重要な当事者である利用者に着目し、AIリテラシーの向上を支援する内容とした。
ガイドは、国民から寄せられた相談や政策提案、主な問い合わせ事例を基に、関心の高い8つの主要論点を整理したものだ。取りまとめにあたっては、学界、法曹界、産業界、市民社会の専門家が参加する「AIプライバシー官民政策協議会」での議論を踏まえたという。
内容は、データ収集からAI学習、サービス利用に至るまで、個人情報がどのように処理されるかを可視化して示した。オプトアウト(学習への利用拒否)や対話記録の保存・削除設定など、利用者自身が確認・設定できる機能についても扱っている。
また、複雑な技術構造や法解釈中心の説明は避け、入力内容がAI学習に使われるか、業務関連資料を入力する際の注意点、外部サービス連携時の安全性――など、相談事例や報道内容を踏まえて抽出した8つの主要な問いに対し、考え方と管理方法を示したとしている。
「AIプライバシー官民政策協議会」の情報主体の権利分科長を務めるユン・ヘソン漢陽大学教授は、「生成AIは日常的なものになったが、利用者が個人情報の処理過程を明確に把握するのは容易ではない」と指摘。そのうえで、「今回のガイドが、学習利用の可否や記録削除といった主要な疑問の解消につながり、利用者が自ら個人情報を点検し、管理するための第一歩になってほしい」と述べた。
ソン・ギョンヒ個人情報保護委員長は、「生成AIサービスの複雑な仕組みの裏側にある個人情報処理の構造を、国民がより容易かつ正確に理解できるようにすることが、このガイドの核心だ」と説明した。
今後は、利用者がAIの利便性を享受しながら、必要に応じてオプトアウトなどの権利行使を通じて自らの情報を実質的に管理できるよう支援し、安全で信頼できるAI利用環境の整備に注力する方針だ。