XRPLの用途が送金からトークン化政府債の決済へ広がっていることを示す事例。写真=Shutterstock

RippleのXRP Ledger(XRPL)が、韓国でトークン化政府債の発行・決済・保管に活用されたことが明らかになった。送金にとどまらないXRPLの活用例として、債券決済のオンチェーン化が現実段階に入りつつあることを示す事例といえそうだ。

ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicによると、RippleはKyobo Lifeと連携し、トークン化政府債の発行から決済、保管までの一連のプロセスにXRPLを適用した。

今回の動きは、Rippleのブラッド・ガーリングハウスCEOがかねて訴えてきたオンチェーン債券決済の方向性とも重なる。ガーリングハウス氏は今月初め、米ラスベガスで開かれた暗号資産関連イベントで、XRPの活用分野としてトークン化を挙げ、従来の債券決済システムは遅く非効率だと指摘した。その上で、トークン化債券の決済は最終的にブロックチェーン基盤のオンチェーン型へ移行するとの見方を示していた。

市場では、この構想がすでに一部で実装段階に入ったとの受け止めも出ている。市場アナリストのチャート・ナードはSNSで「すでに起きている変化だ」と投稿し、Kyobo LifeとRippleの取り組みを例示した。Rippleは4月、韓国でトークン化政府債の取引を進める過程で、自社のカストディプラットフォームを使い、発行・決済・保管の手続きを処理したとされる。

注目されるのは、決済構造の変化だ。従来の債券取引は複数の仲介機関や清算手続きを経るため、決済完了まで数日かかるケースが多い。これに対し、RippleはXRPLを使うことで、処理をほぼリアルタイムで行え、業務効率の向上に加え、カウンターパーティーリスクの低減も見込めると説明している。

ガーリングハウス氏は、XRPLの構造的な強みについても言及している。XRPLは、基盤層で独自のトークン化機能を備えた初期の分散型ネットワークの一つだとし、債券を含む実物資産のトークン化市場で存在感を高める可能性があるとの見方も出ている。

一方、Rippleはあらゆる領域をカバーするブロックチェーン戦略ではなく、特定分野に集中する姿勢を明確にしている。ガーリングハウス氏は「マルチチェーン時代になる」とした上で、単一のブロックチェーンがすべての需要を担うわけではないと説明した。XRPLは決済とトークン化に強みを持つ一方、あらゆる機能を一つのチェーンに載せれば、速度やコスト競争力が損なわれかねないとの認識も示している。

こうした戦略は、XRPの用途を無理に広げるのではなく、決済やトークン化といった競争優位のある領域に資源を集中させる方針とみられる。世界の債券市場は約140兆ドル(約2京1000億円)規模に上るとされ、Rippleがその一部でも取り込めれば、XRPとXRPLの活用余地は大きく広がる可能性がある。

今回の事例は、XRPが単なる送金向けの暗号資産にとどまらず、金融インフラの領域へ広がれるかを占う材料にもなりそうだ。Kyobo Lifeでの取り組みが単発案件にとどまるのか、それとも他の金融機関の参加につながるのかが今後の焦点となる。

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