ビットコイン(BTC)は8万2000ドル台の上抜けに失敗した後、7万6000ドル台まで下落した。直近ではロングポジションの清算が相場の重荷となったが、市場では8万ドル回復の可能性がなお残るとの見方も根強い。注目材料としては、Strategyによる継続買い、米金利の上昇と財政不安、中東情勢の3点が挙がっている。
Cointelegraphが18日(現地時間)に報じたところによると、直近4日間でビットコインのロングポジションから約4億ドルの清算が発生した。ビットコインは一時、8万2000ドル突破を試したものの、上値抵抗に押し返されて7万6000ドル台へ反落した。ただ、市場の関心は追加下落よりも、押し目後の再浮上に向かいつつある。
需給面で最も直接的な支援材料とみられているのが、Strategyの積極的な買い増しだ。マイケル・セイラー氏率いる米上場企業Strategyは、直近1週間で約20億ドル相当のビットコインを追加購入した。同社はこれまで普通株「MSTR」や優先株「STRC」を活用して資金を調達してきたほか、足元では資本構成の見直しを通じ、追加取得の余力確保も進めている。
さらにStrategyは、2029年満期の債務15億ドル相当を買い戻した。既存株主の潜在的な希薄化を抑えながら、今後の株式発行とビットコイン購入の余地を確保したとの受け止めが市場で広がっている。弱気相場でも買いを継続できる姿勢を改めて示したとの評価だ。
マクロ環境の変化も、ビットコインには追い風になり得る。米10年国債利回りは足元で4.60%まで上昇し、16カ月ぶりの高水準を付けた。これは、米国債に対して市場がより高い利回りを要求していることを示す。2026年には約2兆ドル規模の長期国債の償還も予定されており、米財政への警戒感は強まっている。
市場では、こうした流れが希少資産への選好を強める可能性があるとみられている。中央銀行や政府財政への信認が揺らげば、投資資金が金やビットコインに向かいやすくなるという見方だ。実際、金価格が直近の上昇分の多くを吐き出したのに対し、ビットコインは2月末の6万5000ドル近辺から7万6500ドルまで戻し、相対的な強さを保った。
中東情勢も短期的な変動要因として意識されている。ブレント原油は、ホルムズ海峡を巡る緊張と供給不安を背景に1バレル113ドルまで上昇した。米国とイスラエルによる対イラン攻撃後、原油価格は50%超上昇した水準にある。トランプ政権がロシア産原油に関する一部免除措置を延長しなかったことも、供給懸念を強めたとの見方が出ている。
もっとも、市場では米国とイランの緊張が和らげば、リスク資産への選好が戻る可能性もあるとみられている。合意の実現性は高くないものの、外交面で前進があれば、ビットコインが再び8万ドル台を試すとの観測も浮上している。
一方で、インフレ圧力はなお不透明要因として残る。エネルギー価格の高止まりを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待は限定的だ。それでも一部投資家は、米株式市場が過去最高値圏にある一方、ビットコインは高値からなお約39%低い水準にある点に注目している。
市場が見極めようとしているのは、Strategyの買い増し継続、米国債への信認低下に伴う資金シフト、中東情勢の緊張緩和という3つの要因だ。急落で短期的な変動率は高まったものの、8万ドル回復を探る地合いはなお崩れていない。