Appleは年次開発者会議「WWDC26」を6月8日に開幕する。2026年はiPhone向けOS「iOS 27」を中心に、AI機能の拡充が大きなテーマになる見通しだ。AIによる壁紙生成、自然言語を使ったShortcutsの作成、文章作成支援の強化など、日常的な操作へのAI統合が注目されている。
米ITメディアの9to5Macによると、Appleは18日(現地時間)、メディア向け招待状を送付し、WWDC26を6月8日に開始すると発表した。
イベントは6月8日午前10時(PDT)の基調講演で幕を開ける。Appleはこの場で、iOS 27のほか、iPadOS 27、watchOS 27、macOS 27、tvOS 27、visionOS 27といった次期OSを発表する予定だ。
今年のスローガンは「Computing bright up」。基調講演はApple公式サイト、Apple TVアプリ、YouTubeチャンネルなどでライブ配信し、終了後はアーカイブでも視聴できる。
なかでもWWDC26では、iOS 27におけるAI機能強化が最大の焦点になるとみられている。Bloombergと9to5Macは、ユーザーがAIを使ってロック画面やホーム画面向けの壁紙を作成できる機能を、Appleがテストしていると報じた。
この機能は画像生成ツール「Image Playground」をベースに、標準の壁紙選択メニューに新たな項目として組み込まれる見通しという。ユーザーが好みのスタイルやイメージを入力すると、AIがカスタム壁紙を生成する仕組みだ。
文章作成支援の強化も有力視されている。iOS 27には、現行より高精度な文法チェック機能が搭載されるとの見方が出ている。Grammarlyに近い水準の文章校正や表現提案を提供する可能性があるという。
Appleは既存の「Writing Tools」についても、より使いやすくする方向で見直しを進めているとされる。Siriやキーボードとの連携を強め、呼び出しやすさを高める案が検討されているという。
例えば、キーボード上部に「Siriで作成」のトグルを配置したり、テキスト入力中にSiriを起動すると「文章作成を手伝って」ボタンを表示したりする案が想定されている。AI機能にアクセスしにくいという従来の課題を踏まえた改善策とみられる。
自動化アプリ「Shortcuts」も、AIを軸に大きく変わる可能性がある。ユーザーが自然言語で実行したい作業を説明すると、AIが自動的にショートカットを生成する機能をAppleが準備していると伝えられている。例えば「退勤したら家の照明を点けて音楽を再生して」と入力すれば、関連する自動化をすぐに作成できるという。複雑な設定を減らし、一般ユーザーでも自動化を使いやすくする狙いがある。
こうした動きは、生成AIを単独のアプリとしてではなく、OSや既存サービス全体に自然に溶け込ませるAppleの戦略とも重なる。新アプリを追加するのではなく、壁紙、キーボード、Siri、Shortcutsといった既存のユーザー体験にAIを組み込む方向だ。
イベント当日の午後1時(PDT)には、開発者向け技術セッション「Platforms State of the Union」も実施する。Appleは新APIや開発ツール、各プラットフォームの新機能について、より詳しく説明する計画だ。
会期中はオンラインセッションに加え、グループラボや質疑応答プログラムも実施する。Appleのエンジニアやデザイナーが参加し、次期OSへの対応方法や新機能の活用法を開発者に案内する。
Appleは同日、2026年のApple Design Awardsの最終候補も公表した。同社はこれを「アプリとゲームデザインの革新性と技術的成果をたたえるイベント」と説明している。
業界では、WWDC26は単なるOSアップデート発表の場にとどまらず、Appleが生成AI競争の中でどのような方向性を示すかを占う機会になるとの見方が出ている。AI機能をiPhoneのユーザー体験にどこまで自然に溶け込ませられるかが焦点となる。