LG Energy Solutionは19日、Honda、ベトナム・ハノイ市と、電動二輪向け公共バッテリー交換ステーション(BSS)の構築に向けたMOUを締結したと発表した。2026年第3四半期から、ハノイ市内の主要エリアで約50カ所の交換ステーションと電動二輪500台規模による実証事業を始める。
3者は、ハノイ中心部でのバッテリー交換インフラ整備に加え、バッテリーの標準化、安全管理システムの開発、電動二輪プラットフォームの事業モデル開発で協力する。電動二輪の普及基盤づくりを進める狙いだ。
実証事業では、LG Energy Solutionの2170円筒形電池を採用する。LG Energy Solutionは電池の供給に加え、安全管理システムの構築、交換システムの運営、運用ソリューションの支援、バッテリーのライフサイクル管理を担う。
Hondaはバッテリーパック(MPP)、交換機、電動二輪車両を提供する。ハノイ市は許認可や政策面での支援に加え、現地運営でも協力する。ベトナムオートバイ製造業協会(VAMM)によると、2025年のベトナム二輪車市場でHondaのシェアは86%を占めた。
ハノイは人口約850万人、登録オートバイは600万台超と、二輪車への依存度が高い都市だ。大気汚染が慢性的な社会課題となる中、ハノイ市は昨年、都心部で内燃機関オートバイの運行を制限する方針を打ち出した。2026年7月から時間帯や区域ごとに規制を始め、2030年まで段階的に拡大する計画としている。
ベトナム国家交通委員会によると、2025年時点のベトナム二輪車市場は約8000万台。このうち電動二輪は320万台にとどまる。一方、オーストラリアのメルボルン工科大学は、ベトナムの電動二輪市場が今後、年平均18%超で成長するとの見通しを示している。
ハノイ市のチュオン・ビエット・ズン副市長は、「韓国と日本は電動二輪のバッテリー交換ステーション分野をリードしている」としたうえで、「LG Energy SolutionとHondaの技術力を基盤に、市民がより便利に利用できる電動二輪向け交換インフラが整うことを期待している」と述べた。
LG Energy Solutionは、「ベトナムは東南アジアで電動二輪への転換を進めるうえで中核となる市場だ。二輪向けバッテリーで培った、安全性を確保しながら使用時間と寿命を高める技術を基に、ベトナムの環境配慮型交通インフラの整備に継続的に貢献していく」とコメントした。