AI需要の拡大局面でも供給制約の重さが意識された(写真=Shutterstock)

18日の米株式市場でSeagate株が8%超下落した。デイブ・モスリーCEOが増産には時間がかかるとの認識を示したことで、AI向け需要の拡大に対し、供給増強が追いつかないとの懸念が強まり、Micronなど半導体関連株にも売りが広がった。

CNBCによると、Seagate株は同日、半導体関連株の下げを主導した。

きっかけとなったのは、JPモルガンのイベントでのモスリー氏の発言だ。モスリー氏は生産能力の拡大について、「新工場の建設や新規設備の導入には時間がかかりすぎる」と説明。増産は可能でも、その過程で足元の技術開発ペースに影響が及ぶ可能性があるとの見方を示した。

売りは業界全体に波及した。Micronは5%下落し、SanDiskとWestern Digitalもそれぞれ約7%下げた。ここ数カ月は、データセンターを中心とするAI投資の拡大を追い風に関連株は堅調に推移していたが、この日は供給能力の積み増しペースに対する警戒感が強く意識された。

メモリ半導体は、AIインフラを支える主要部品の一つとされる。データセンターの増設や高性能計算(HPC)需要の拡大を背景に需要は伸びているが、半導体生産には長いリードタイムが必要で、単一製品でも立ち上がりまでに複数四半期を要する。

このため投資家は、主要各社が急増する需要を中長期的にどこまで取り込めるかに、これまで以上に敏感になっている。

モスリー氏は供給計画の見通しにも言及した。「1年後にどの製品が出るか把握している」と述べ、主要顧客とは事前に計画をすり合わせていると説明。データセンター顧客に対しては一定期間先の数量まで購入できるよう案内しているほか、4〜5四半期先までの見通しを安定的に維持したい考えも示した。

一方で、足元の需要はそうした想定を上回っているとも述べた。メモリ供給網には「非常に長いリードタイム」があるとしたうえで、顧客側の予見可能性を保つことが重要だと説明。ただ、実需はそれを大きく上回る水準にあるとした。供給増強に時間を要する構造とAI需要の急拡大が重なり、市場の関心は短期業績だけでなく、生産対応力にも向かっている。

半導体価格の変動に対応する動きも出ている。CME Groupは半導体を原資産とする新たな先物市場を立ち上げる予定で、参加者が価格を固定したり、コンピューティングコスト上昇リスクをヘッジしたりできるようにする狙いだ。今回の半導体関連株安は、AI投資の拡大局面でも供給制約がなお重要な変数であることを改めて示した。

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