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米国で、電動自転車を趣味の乗り物ではなく、生活に必要な移動手段として見直す動きが出ている。自動車の維持費が膨らむなか、通勤や子どもの送迎、買い物といった近距離移動で、セカンドカーの代替として活用できる可能性があると、Electrekが18日(現地時間)に報じた。

同メディアは、米国の家庭における短距離の車移動の大部分は、すでに電動自転車に置き換え可能だと伝えた。これまでセカンドカーが担ってきた通勤、送迎、買い物、各種の用足しといった用途で、電動自転車の実用性が高まっているという。

背景にあるのは、自動車維持費の上昇だ。米国の家計は、燃料費、保険料、整備費、登録費、駐車費に加え、ローン負担も抱えている。一方、電動自転車は比較的低コストで日常の移動需要を賄える点が強みとされる。

Electrekは、「電動自転車があらゆる車移動を置き換えるわけではないが、想像以上に多くの移動を担える」と評価した。最近の電動自転車は、速度や安定性、積載性能が大きく向上しており、カーゴタイプのモデルは買い物や子どもの同乗にも対応するという。製品によっては、車の維持費数カ月分ほどで購入できる点も利点として挙げた。

家庭内の移動スタイルが変わる可能性もある。米国では、子どもが学校やスポーツ活動、アルバイトを始めると、親が送迎役を担うケースが多い。だが、安全に自転車で移動できる環境と電動自転車が整えば、ティーンエージャーが学校や友人宅、図書館、商店などへ自力で移動しやすくなるとしている。

同メディアは、これを自動車の運転を始める前段階としての「健全な移動の自立」と表現した。特にカーゴタイプの電動自転車は、これまでスポーツユーティリティ車(SUV)が担ってきた送迎や買い物の役割の一部を代替し得る手段だと紹介している。

高齢層での活用余地も広がっている。ペダルアシスト機能は、坂道での走行負担や膝への負担、体力低下による不安を和らげる。近年は、バランス維持が難しい利用者向けの電動三輪車も増えており、高齢層が屋外活動や近距離移動をより長く続けられる可能性があるという。

都市交通の面でも効果が期待される。電動自転車の利用が広がれば、道路混雑や駐車負担、騒音の軽減につながる可能性がある。Electrekは、「短距離移動で最も効率的な交通手段は、自動車ではないかもしれない」としたうえで、電動自転車は自宅前から出発し、目的地の近くに駐輪できるため、近距離移動で高い効率を発揮すると説明した。

健康面での利点も大きい。電動自転車は、別に運動の時間を確保しなくても、日常の移動のなかで自然に身体活動を増やせる。従来の自転車利用の障壁だった坂道、発汗、体力面の負担を抑えられる点も、前向きに評価された。

Electrekは、鍵を握るのは意識の変化だとみている。家庭のガレージに電動自転車が定着すれば、「この移動に本当に車が必要か」と考える機会が増え、家計支出や移動習慣、地域社会との関わり方まで変わる可能性があるという。

また、欧州やアジアの一部では、電動自転車がすでに生活交通の一部として定着している点にも触れた。業界では、米国でも自動車中心の移動構造からの転換が進めば、電動自転車市場の成長がさらに加速するとの見方が出ている。

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