Intelのデスクトップ向けCPU「Core i9-14900KF」が9.206GHzを記録し、動作周波数の世界記録を更新した。記録を達成したのは中国のオーバークロッカー「wytiwx」で、単一Pコアのみを有効化し、電力制限を解除したうえで液体ヘリウム冷却を用いた。
Gigazineが18日(現地時間)に報じたところによると、この記録はシステム情報・ベンチマークツール「CPU-Z」で確認され、検証データベース「CPU-Z Validator」にも関連情報が登録された。
オーバークロックは、CPUやGPUをメーカー設定の動作速度を上回る水準で動かし、性能を引き出す手法だ。wytiwxはCore i9-14900KFの周波数を極限まで高めるため、Pコア1基のみを有効にした構成でテストを実施した。
記録されたクロックは9206.34MHz。従来のコンシューマー向けCPUの最高記録を塗り替えた。これまでにはIntel Core i9-13900Kが9GHzの壁を突破していたが、今回はその後継世代にあたるCPUがさらに記録を伸ばした。
使用したシステム構成も公開されている。マザーボードはASUSの「ROG Maximus Z790 Apex」、サーマルグリスはThermal Grizzlyの「Kryonaut Extreme」、メモリは16GBのDDR5 SDRAM、電源ユニットはASUSの「ROG Thor Gaming 1600W」を組み合わせた。
今回の挑戦で特に注目されたのは冷却方式だ。液体ヘリウムによる極低温冷却を用い、一般的な冷却システムでは引き出しにくい限界領域まで周波数を高めた。日常利用を前提とした性能指標というより、チップが持つ最大周波数のポテンシャルを探る試みといえる。
もっとも、この設定を一般ユーザーが再現するのは現実的ではない。単一Pコアのみを有効化し、電力制限を解除したうえ、液体ヘリウム冷却まで導入しているためだ。それでも、Intelの最新デスクトップ向けCPUが極限条件下でどこまでオーバークロックできるかを示した事例として注目を集めている。
今回の記録は単なる数値競争にとどまらず、最新CPU設計や電力・発熱制御の限界を試す象徴的な事例として受け止められそうだ。