Dell Technologiesのトレービス・ビヒル上級副社長=18日(現地時間)、ラスベガスで開催された「Dell Technologies World 2026」会場。写真=デジタルトゥデイ

【ラスベガス(米国)】Dell Technologiesは、AIインフラ市場での差別化要因としてデータ管理を重視する姿勢を示した。企業内に散在するデータをAI活用に適した形で整備し、適切なユースケースにつなげる力が競争力を左右するとの見方だ。

インフラストラクチャ・ソリューション部門で製品管理を統括するトレービス・ビヒル上級副社長は18日(現地時間)、米ラスベガスで開催された「Dell Technologies World 2026」の会場で行ったインタビューで、「データ管理は大きな課題だ。適切なデータを適切なユースケースにつなげる能力が極めて重要になる」と述べた。

同氏は、AIワークロードにおけるストレージの重要性をGPUと併せて説明した。GPUの性能を十分に引き出すには、データを高速に供給できるストレージ基盤が欠かせないとし、顧客がAI導入で直面する課題に対し、「Dell AI Data Platform」で対応できると強調した。

Dell AI Data Platformは3層構成を採る。最下層は、ファイル、オブジェクト、並列ファイルシステム(PFS)といった各種プロトコルへの対応と性能確保を担う。

中間層のデータエンジンでは、構造化データと非構造化データの変換やクエリ処理を行い、生成AIで利用しやすい形に整える。最上位層にはDellのオーケストレーションエンジンを配置し、データの精製・処理、メタデータの補強、ベクトル化のほか、データをLLM活用につなげる処理を支援する。

ビヒル氏は「この3層は、顧客が重視する要素に直結している。必要な速度と性能の確保、データ変換、データ管理が中核になる」と説明した。PFS製品「Dell Lightning File System」についても、「市場にある並列ファイルシステムの中で最も高速な製品だ」とアピールした。

Dell Technologiesは、製造分野でのAI活用支援にも取り組んでいる。ビヒル氏は事例としてSamsung Electronicsを挙げ、半導体製造向けの電子設計自動化(EDA)ワークロードは、計算資源とストレージ容量の両方を大きく必要とする領域だと述べた。

半導体設計では多数の図面や画像データを扱う一方、幾何構造や許容誤差まで高い精度で合わせる必要があるためだ。同氏は「EDAは結局、多数の画像や図面を扱う作業だ。計算集約型であると同時に、ストレージ集約型でもある」と語った。

今後のAIインフラ市場の課題についても、ビヒル氏はデータ管理を挙げた。Dell Technologiesは昨年、Data Loopを買収しており、これを基盤にオーケストレーションエンジンを構築しているという。

特に大企業ほど、データ管理への投資が重要になるとの見方も示した。大企業には、ナレッジ文書、サービスリクエスト、顧客との会話履歴など、膨大な非構造化データが蓄積しているためだ。

ビヒル氏は「大企業は大量のナレッジベース文書や顧客との会話、サービスリクエストを抱えており、その多くが非構造化データとして存在している。適切なデータを見つけ、適切な相手に届ける能力こそが、ビジネス価値を引き出す鍵になる」と述べた。

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