ビットコインのイメージ写真=Shutterstock

ビットコインは、複数の好材料が重なった5月も上値の重い展開が続き、10万ドル回復への期待はやや後退している。米中首脳会談への期待や米テック株高、米上院での法案進展が支援材料となったものの、相場は節目を明確に上抜けられていない。

BeInCryptoが18日付で伝えたところによると、ビットコインは直近1週間で約6%下落した。一時は8万2000ドルまで上昇したが、その後は上げを維持できなかった。

相場を支えた材料としては、ドナルド・トランプ米大統領とシー・ジンピン中国国家主席の会談、NVIDIAを中心とした米ハイテク株の上昇、米上院銀行委員会でのデジタル資産関連法案の前進が挙げられる。ただ、いずれも短期的な反発材料にとどまり、10万ドル方向への本格的なトレンド転換には結び付かなかった。

米中首脳会談を巡っては、地政学的な緊張緩和への期待が市場心理を改善させた。ビットコインは会談前後に2〜2.3%上昇し、一時8万2000ドル近辺まで買われた。市場では、米中協調への期待が高まればリスク資産選好が戻り、ビットコインも通商交渉やマクロ政治の動向に敏感に反応するとの見方が出ている。

NVIDIAを軸とした米テック株高も追い風となった。ジェンスン・フアンCEOがトランプ大統領の訪中代表団に加わったことで、AI半導体と中国市場へのアクセスが米中交渉の主要テーマになっているとの見方が広がった。NasdaqとS&P500が最高値を更新するなか、ビットコインもテック株との相関を背景に連れ高となる場面があった。

制度面でも期待は残る。米上院銀行委員会は14日、デジタル資産市場構造法案「クラリティ法」の修正案を15対9で可決した。米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)で監督権限を分担し、ビットコインを含む多くのデジタル資産をデジタル商品として扱う内容だという。

もっとも、法案進展の報道を受けてビットコインは再び8万2000ドルまで上昇したものの、その後は8万500ドル〜8万1000ドル近辺のレンジへ押し戻された。市場では、上院本会議で可決に60票が必要な点や、最終承認が8月にずれ込む可能性が重しになっているとみられている。

中長期では強気の見方も残る。Franklin Templetonのクリストファー・ジェンソンは、社内の基本シナリオとしてビットコインの10万ドル回復を見込むとした。市場の予想レンジは2026年末時点で9万5000ドル〜12万ドルに集中しており、3つの好材料が同時に作用すれば15万ドルも視野に入るとの見方も出ている。

一方、短期見通しは割れている。アナリストのミハエル・バン・デ・ポペは、ビットコインが数日以内に7万9100ドル付近のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)ギャップを埋める可能性が高いと指摘した。この水準を下回れば、相場の上向き転換を示す明確なシグナルが必要になるとの見方を示した。

同氏は7万1000ドル近辺を反発が入りやすい支持帯とみている。レナルト・スナイダーも、8万2800ドルのレジスタンスを付けた後は下落トレンドが鮮明になったと分析した。

不透明要因もなお多い。インフレの長期化、国債利回りの上昇、現物ETFからの一時的な資金流出、立法手続きの遅れ、地政学的緊張などが相場の重荷として意識されている。

市場の焦点は、米中関係の改善、テック株ラリー、法案進展という3つの好材料がそろうかどうかよりも、金利や規制を巡る不透明感を打ち消せるかに移っている。ビットコインが8万ドル台を回復・定着できるのか、それとも7万ドル台前半の支持線を試すのかが、10万ドルへの道筋を左右する分岐点となりそうだ。

この45日間では米国株の時価総額が11兆ドル増加した。S&P500は18%、Nasdaqは28%、NVIDIAは38%それぞれ上昇し、ビットコインも同期間に25%超上昇した。市場では、こうしたリスク資産全体の上昇がビットコイン相場を下支えしたとの指摘も出ている。

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