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ビットコインに下押し圧力が強まっている。価格は週明けに7万6500ドルまで下落し、5月1日以来の安値を付けた。市場では、目先の下値メドとされる7万5000~7万6000ドルの攻防に加え、22日発表の米S&P製造業購買担当者指数(PMI)と21日に予定されるNVIDIAの決算が重要材料として意識されている。

Cointelegraphによると、ビットコインは直近で回復していた価格帯を再び割り込み、21週指数移動平均(EMA)である7万8660ドルも下回った。強気相場の下値支持線とみられてきた水準を割り込んだ格好だ。

デリバティブ市場ではロングの清算が膨らんだ。過去24時間の暗号資産市場全体のロング清算額は6億7000万ドルを超えた。

Coinglassのデータでは、現物価格の上下に清算が集中する価格帯が積み上がっており、相場が上下どちらに振れても流動性を取り込みやすい構図になっていることが示された。

市場関係者の間では、7万5000~7万6000ドルが短期的な分岐点との見方が多い。トレーダーのダン・クリプト・トレーズは、週足終値は同レンジで形成されたものの、明確な上放れを確認するには早い段階での反発が必要だと指摘した。

別のアナリスト、クリプティック・トレーズも、ビットコインが従来のブレイクアウトゾーンだった7万5000~7万6000ドルに到達したと分析した。一方で、未決済建玉の増加とマイナスの資金調達率を踏まえると、今回の下落が典型的なベアトラップとなる可能性もあるとみている。ショート勢のポジション積み増しが進んでいることを示唆するとの見方だ。

マクロ環境も重荷となっている。米国とイランを巡る緊張が再び高まり、ホルムズ海峡を巡る不透明感が続く中、国際原油価格は週明けから急伸した。

WTIは一時、1バレル=104.45ドル近辺まで上昇し、約2週間ぶりの高値を付けた。米30年国債利回りも5%を上回り、過去数年にわたって何度も試してきた高水準を再びうかがっている。

こうした動きを受けて、利下げ期待は急速に後退した。市場分析会社Kobeissi Letterは「米国債市場がリアルタイムで崩壊している」と表現し、年内の政策金利引き下げの可能性も2%水準まで低下したとの見方を示した。

インフレ率が4%台に近づく中で長期金利が上昇すれば、リスク資産全般には逆風となる。ビットコインもこのマクロ圧力の影響を免れていない。

今週は製造業関連指標と大手テック企業の決算も追加材料となる。22日に発表される米S&P製造業PMIは、年初からの持ち直し基調が続くかを見極める指標として注目される。

21日に予定されるNVIDIAの決算も、相場変動を大きくする可能性がある。市場ストラテジストのマイケル・J・クレイマーは、決算発表前に同社株が十分な調整を経ていなければ、決算後に利益確定売りが出やすいと警告した。市場予想を明確に上回る内容でなければ、売りが優勢になる可能性があるという。

オンチェーン指標では、強弱材料が交錯している。CryptoQuantは、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策期待が後退する中でも、一部の大口投資家は保有量を減らしていないと分析した。

1万BTC超を保有する超大型のクジラウォレットは、昨年以降では見られにくかった水準まで残高を回復したという。

その一方で、現物市場の売り圧力は強まっている。CryptoQuantによると、6~12カ月前にビットコインを取得したウォレットから取引所への流入が14日以降に急増した。

このグループの取引所流入比率は10.54%に達し、平常時の10倍を超えた。

こうした状況を踏まえると、今週のビットコイン市場は7万5000ドル前後のサポートを維持できるかどうかに加え、PMI、NVIDIA決算、米国債利回り、原油相場の動向を同時に見極める局面に入ったといえる。

クジラの保有拡大が下支えにつながるのか、それとも長期保有者の売りとマクロ環境の不安定さが一段安を招くのかが、当面の最大の焦点となる。

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