ミームコイン「Shiba Inu(SHIB)」を巡り、30ドルの初期投資が60万ドル超に膨らんだとする過去の事例が、あらためて市場の関心を集めている。2021年の急騰局面を想起させる話題だが、足元では価格が史上最高値から93%超下落しており、当時とは前提条件が大きく異なる。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicは16日(現地時間)、暗号資産評論家のゼウス・ザ・グレート(Xeusthegreat)が、自身のメンティーの1人がShiba Inu投資で大きな利益を得たと明らかにしたと伝えた。
ゼウス・ザ・グレートによると、この投資家はShiba Inuの上昇局面で保有分の一部を売却して利益を確定し、助言への謝意として謝礼を送った。その後、Shiba Inuが史上最高値(ATH)に近づいた局面で残りの売却も勧め、相場調整前に利益の大半を確保できたという。
さらにこの投資家は、その後に再び現金を送ったとされる。ゼウス・ザ・グレートは、これが自身の受け取った贈り物の中で最大だったとしている。
今回の事例は、ミームコイン人気が過熱した時期には少額投資でも巨額リターンが生まれ得たことをあらためて印象付けた。Shiba Inuは2020年8月のローンチ後、2021年の暗号資産強気相場で代表的な急騰銘柄として注目を集めた。
当時は約14カ月で、0.000000000056ドルから0.00008845ドルまで上昇したとされる。
同時期の別の事例としては、シカゴ出身の兄弟2人が8000ドルを900万ドルに増やしたケースや、トラック運転手が650ドルの投資で170万ドルの利益を上げたケースも紹介された。
また、8000ドルの投資額が2021年10月のピーク時に57億ドルまで膨らんだ例も取り上げられた。
一方で、現在の市場環境は当時とは大きく異なる。Shiba Inu急騰の背景には、強いコミュニティーの熱量、大手取引所への上場、ビタリック・ブテリンによる410兆枚のトークン焼却などがあった。
しかし、その後Shiba Inuは史上最高値から93%以上下落し、足元では0.000006082ドル前後で推移している。
トークン焼却の規模も当時とは開きがある。現在の1日当たりの焼却量は数百万枚にとどまっている。
一部アナリストは、この程度の焼却では巨額の供給量を減らす効果は限定的だとみている。エコシステム関連プロジェクトの進捗が道半ばにあるとの指摘に加え、初期に比べて開発面での集中度が低下したとの批判も出ている。
こうした中、市場の焦点はShiba Inuが再び初期のような爆発的な上昇を演じられるかに移っている。複数のアナリストは、課題を解消して市場モメンタムを取り戻せなければ、過去のような突出したリターンが再び生まれる可能性は高くないとの見方を示している。