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米ファッションブランドEverlaneが、中国系ファストファッション大手Sheinに約1億ドル(約150億円)で売却される見通しとなった。報道によると、買収はすでに両社の取締役会が承認している。Everlaneは2026年3月時点で約9000万ドル(約135億円)の債務を抱えており、財務負担の重さが売却の背景にあるとみられる。

オンラインメディアのGIGAZINEが5月18日(現地時間)、SheinがEverlaneの買収で合意したと報じた。

Everlaneは2011年にマイケル・フレイズマン氏とジェシ・パーマー氏が共同創業した。創業当初から「持続可能性」と「透明性」を掲げ、オンライン直販(DTC)を軸に高品質なベーシック衣料を展開。米国市場でミレニアル世代やZ世代の支持を広げてきた。

その後は米国内で実店舗を拡大し、日本を含む海外市場にも進出した。一方で、足元では成長の鈍化と収益性の悪化が重なり、財務負担が増していた。報道によれば、Everlaneは今年3月時点で約9000万ドルの債務を抱え、新たな投資家の確保を模索していたという。

買い手として浮上したSheinは、低価格と短納期の供給体制を武器に世界のファストファッション市場で存在感を高めてきた。これに対しEverlaneは、衣料産業における過剰生産や環境、労働を巡る問題を指摘し、持続可能性を前面に打ち出してきた。事業モデルやブランドの訴求軸が大きく異なる2社の組み合わせとして、市場の関心を集めている。

特に注目されているのは、買収後のブランド運営だ。Sheinが高速な商品回転と大量生産で成長してきたのに対し、Everlaneは製品品質や生産過程の透明性を差別化要因としてきた。業界では、SheinがEverlaneのブランドイメージを維持するのか、それとも自社の流通戦略に沿って再編するのかが焦点になるとの見方が出ている。

既存投資家の判断も、今回の売却に影響した可能性がある。Everlaneには2020年から投資会社L Cattertonが出資しており、直近まで筆頭株主の地位を維持していた。債務負担が重くなるなか、取締役会と主要投資家が売却案を受け入れたとの見方もある。

業界では今回の取引について、単なるブランド買収にとどまらず、電子商取引を基盤とするグローバルファッション企業が既存ブランド資産を取り込む流れの一環と受け止める声がある。Sheinはグローバルな流通網と生産能力を持ち、Everlaneは米国での顧客基盤とブランド認知を有しているためだ。

現時点で明らかになっているのは、Sheinが約1億ドルでEverlaneを買収することで合意し、両社の取締役会承認を終えたことだ。今後の焦点は、Sheinの傘下でEverlaneのブランドアイデンティティと事業構造がどう維持、あるいは見直されるかに移る。

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