画像=Tesla公式サイト

Teslaが米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)に提出していたロボタクシー試験運用中の事故報告17件について、詳細が初めて明らかになった。これまで非公開だった事案の中には、遠隔オペレーターの介入後に起きた衝突や、後退時の接触なども含まれている。

Electrekが15日(現地時間)に報じたところによると、今回開示された17件はいずれも、2025年7月から2026年3月にかけて米テキサス州オースティンで実施されたTeslaのロボタクシー試験運用中に発生した。

対象車両はすべて2026年モデルのModel Yで、自動運転システムを作動させた状態で安全監視要員が同乗していた。

開示資料によると、17件のうち13件は物損事故だった。残る4件は、負傷者なしが2件、入院を要しない軽傷が1件、入院を伴う軽傷が1件だった。

事故の内容を見ると、Tesla側の責任を直ちに問えないケースが目立つ。赤信号や一時停止標識の前で停止していた車両に後続車が追突した事例が複数あり、赤信号待ち中にSUVが後方から衝突したケースや、一時停止標識の前で停車していた車両にトラックがぶつかったケースが含まれていた。

このほか、自転車レーンを走行していた車両が停止中のTesla車のサイドミラーに接触した事例や、右折中の路線バスが車両側面に接触した事例もあった。

Teslaはこれまで、事故内容の記述には営業秘密に当たる情報が含まれる可能性があるとして、報告書を非公開扱いとしてきた。関連データが公開されれば、競合他社が自動運転技術の進捗を分析する材料となり、財務上の損害につながりかねないとも主張していた。

今回は既存の報告書を再提出する過程で、こうした非公開指定を解除した。ただ、開示された事例の一部については、自動運転システムの限界を示しているとの見方も出ている。

注目を集めたのは、遠隔オペレーターの介入後に起きた事故だ。2025年7月の事案では、自動運転システムが前進できなくなり、安全監視要員が支援を要請。遠隔オペレーターが車両制御を引き継いだ後、車両は時速約8マイル(約13km)で縁石に乗り上げ、金属製フェンスに衝突した。この事故では安全監視要員1人が軽傷を負った。

2026年1月にも同様のケースがあった。安全監視要員が経路案内の支援を求め、遠隔オペレーターが操作を引き継いだものの、車両は時速約9マイル(約14km)で工事用バリケードに衝突した。

周辺環境の認識に課題があったとみられる事故も開示された。2025年9月には、対向車線を横切る左折の後に駐車場へ進入する際、金属チェーンに接触。10月には、道路側に張り出していたダンプトレーラーの連結装置にサイドミラーが接触した。

2026年1月には、行き止まりの路地で後退中に木製の電柱に接触した事例もあった。別のケースでは、駐車スペースへバックする途中で縁石の角に触れていた。

今回開示分で最も重い人身事故とされたケースも含まれている。Tesla車は右折専用レーンで交差車両に道を譲るため停止した後、時速約2マイルでゆっくり前進した。その際、後続のSUVが車両後部に追突し、安全監視要員が痛みを訴えて治療を受けたという。事故責任は相手車両側にある可能性が高いものの、自動運転車の慎重すぎる挙動が追突リスクを高めるのではないかとの指摘もある。

このほか、犬が交差点に飛び出して車両下部のバンパーに衝突し、反対車線側へはじき出された事例や、駐車場の通路で後退していた車両と接触した事例もあった。さらに、路面の凹凸でタイヤが損傷した後、車両が減速して路肩へ移動する過程で縁石に衝突したケースも開示された。この際、車両はMinimal Risk Condition Maneuverに基づく手順を開始していたとされる。

今回の開示を受け、市場では事故件数だけで自動運転の安全性を単純に判断するのは難しいとの見方が出ている。一方で、遠隔オペレーターの介入後にも事故が起きていたことや、後退時や小さな障害物の回避時に接触が繰り返されていたことは、安全監視要員を乗せない完全無人運行へ拡大するうえでの課題を改めて浮き彫りにした。

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