米ベンチャー投資会社a16z cryptoは、米国の「CLARITY法案」が成立すれば、暗号資産業界だけでなく米国内のイノベーション全体を後押しするとの見方を示した。制度整備の効果は世界市場にも波及する可能性があるとしている。
Cointelegraphが17日付で報じたところによると、a16z cryptoは、米国がイノベーション促進と消費者保護を両立する法的枠組みを整備すれば、その影響は国内にとどまらず世界市場にも広がり得ると指摘した。
同社はX(旧Twitter)への投稿で、開発者にとって規制の予見可能性が高まれば、米国全体のイノベーションの追い風になると説明した。CLARITY法案は、米国の暗号資産業界により明確な規制基準を示すことを目的としており、昨年7月の初提出以降、市場では世界的な波及効果に関心が集まってきた。
a16z cryptoは、2025年7月に可決された「GENIUS法案」にも言及した。GENIUS法案はステーブルコインの規制枠組みを整備する内容で、同社は当時、この可決が前例のない成長と普及を促し、米国経済だけでなくドルの長期的な優位性にも寄与したと評価した。
規制の不確実性を和らげる立法は、特定の業界に限らず、決済や金融インフラ全体に波及し得る――。a16z cryptoはそうした点を改めて強調した格好だ。
CLARITY法案を巡っては、米国外への影響にも注目が集まっている。SharpLink Gamingの最高経営責任者(CEO)、ジョセフ・シャロム氏は、この法案が米国だけでなく他国・地域にとっても重要なシグナルとして受け止められていると述べた。
米国での制度整備が、他国・地域における政策議論にも影響を与え得るとの見方が広がっていることをうかがわせる。
一方、法案成立の見通しを巡っては、強気と慎重の見方が交錯している。米資産運用会社Grayscaleは16日に公表したリポートで、成立可能性を高く見積もる一方、法律として成立するには上院本会議の通過が必要であり、そのためには超党派の支持が欠かせないと分析した。
上院での票の行方も焦点だ。米上院銀行委員会は15日の会合で、共和党議員13人全員と民主党議員2人の賛成により法案を前進させたが、民主党議員9人は反対した。
現在、共和党は上院で53議席を確保しており、本会議での可決には少なくとも民主党議員7人の追加賛成が必要となる。
Grayscaleは、この条件は不可能な水準ではないとみている。根拠として、GENIUS法案が上院で66票を獲得して可決され、そのうち18票が民主党票だった点を挙げた。
ステーブルコイン規制に続き、暗号資産全体の規制枠組みまで立法が進むかどうかが次の焦点になっている。市場の関心は、CLARITY法案が実際に上院本会議を通過できるかに集まる。米国が暗号資産規制の大枠を制度化した場合、業界の資金フローや企業活動、さらには他国・地域の政策議論にも連鎖的な影響が及ぶ可能性がある。
もっとも、現時点で法案の成否を左右する最大のポイントは、上院で民主党の追加支持をどこまで確保できるかにある。