Strategy(写真=Shutterstock)

Strategyのマイケル・セイラー会長が、保有するビットコインについて、必要に応じて売却も選択肢になり得るとの考えを示し、市場の注目を集めている。資産としての評価を維持するには一定の流動性が欠かせず、「絶対に売らない」との見方がかえってマイナスに働く可能性があるという。

Cointelegraphによると、セイラー氏は17日、スコット・メルカー氏のYouTubeポッドキャストに出演し、Strategyが保有するビットコインが「決して売られない資産」と受け止められれば、むしろ資産価値の評価に不利になりかねないと語った。

同氏は「市場が、われわれはビットコインを絶対に売らないと考えるなら、格付け会社はそれを十分な資産と評価しにくくなる可能性がある」と述べた。

Strategyのビットコイン保有額は約650億ドル(約9兆7500億円)とされる。セイラー氏は、ビットコイン市場には、Strategy株や同社の信用力と直接連動しない200億〜1000億ドル(約3兆円〜約15兆円)規模の流動性があると説明した。

そのうえで、こうした流動性を一切活用しないと宣言すれば、企業価値の98%を支える資産価値をむしろ毀損しかねないと主張した。資産として機能させるには、流動性を持たせることが重要だという認識を示した格好だ。

今回の発言は、Strategyの1〜3月期決算発表後に続いていた市場の議論を再燃させた。セイラー氏は当時も、市場不安の緩和や企業への信認維持が必要な局面では、一部のビットコイン売却の可能性に言及していた。

この発言は、同氏が従来強調してきた「Never Sell Your Bitcoin(ビットコインを絶対に売るな)」という方針とは異なるメッセージとして受け止められ、業界の関心を集めた。

SNSや業界内では、Strategyの今後の対応を巡る議論が続いている。暗号資産投資プラットフォームBnkToTheFutureのCEO、サイモン・ディクソン氏は7日、ビットコイン担保の負債や永久配当の仕組みを維持する過程で金融界の影響力が強まれば、一部ビットコインの売却を迫られる可能性があると主張した。

もっとも、Strategyの実際の行動は引き続き買い増し基調にある。同社は2020年8月にビットコインを中核的な財務資産に組み入れて以降、継続して保有を積み増してきた。

現在の保有量は81万8869BTC。平均取得単価は1BTC当たり7万5540ドル(約1133万1000円)という。直近でも4日から10日にかけて、535BTCを約4300万ドル(約64億5000万円)で追加購入しており、この際の平均購入価格は1BTC当たり8万340ドル(約1205万1000円)だった。

セイラー氏はこれまでXでも「ビットコインを絶対に売るな」と繰り返し発信してきた。ただ、6日には従来よりもトーンを和らげ、「売る量より多く買え」と投稿し、注目を集めていた。

市場では、今回の発言について、Strategyがビットコインを単なる長期保有資産ではなく、必要に応じて担保や流動性管理にも活用できる戦略的な財務資産として位置付けていることを示すものだとの見方が出ている。投資家の関心は、実際に売却するかどうかよりも、今後ビットコインをどのように金融戦略へ組み込んでいくかに向かっている。

キーワード

#Strategy #マイケル・セイラー #ビットコイン #Cointelegraph #BnkToTheFuture
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.