大型リチウムイオン電池の航空安全リスクを踏まえた措置だ(写真=Shutterstock)

Southwest Airlinesは、人型および動物型ロボットの機内持ち込みと受託手荷物での輸送を禁止した。大型リチウムイオン電池の発火リスクを踏まえ、手荷物規約を改定した。

Cryptopolitanが16日付で報じたところによると、Southwest Airlinesは公式サイト上の規約を更新し、人や動物に似たロボットについて、サイズや用途を問わず客室内への持ち込みと受託手荷物のいずれも認めないと明記した。

背景には、同社便でロボットの搭乗を巡る事例が相次いだことがある。オークランド発の便では、乗客が持ち込んだヒューマノイドロボットを機内でどのように固定するか客室乗務員が判断する間、機体が滑走路上で待機したという。

このロボットは当初、機内持ち込み手荷物として扱われたが、最終的には窓側席に移され、バッテリーを取り外したうえで離陸したとされる。

別の事例では、ダラスの事業家アーロン・メフディザデが、ラスベガス発ダラス行きの便で全長3.5フィートのヒューマノイドロボット「Stewie」を、貨物として預けず追加で座席を購入して搭乗させた。メフディザデは現地メディアに対し、多くの乗客が機内のロボットに強い関心を示していたと語った。

このロボットは保安検査を通過するため小型のバッテリーを装着した状態で移動し、空港ターミナル内を歩く様子も撮影された。

Southwest Airlinesが特に問題視したのは、ロボットに搭載されるリチウムイオン電池だ。多くのヒューマノイドロボットが同電池を採用しており、機内火災につながるおそれがあると判断した。

リチウムイオン電池は、過去にも航空機内で火災を引き起こした例があり、サンディエゴで緊急着陸に至ったケースもあったと報じられている。

米連邦航空局(FAA)は、すべてのリチウムイオン電池に熱暴走の可能性があると位置付けている。原因としては、損傷や過充電、水濡れ、製造不良などを挙げている。

客室乗務員は客室内でのバッテリー火災対応の訓練を受けているが、ヒューマノイドロボットに搭載される大型バッテリーパックは、従来の機内持ち込み規定が想定してきた範囲を超えるリスクがあると同社はみている。

新たな手荷物ポリシーでは、人型または動物型ロボットについて、サイズや目的にかかわらず客室内への持ち込みと受託手荷物の両方を認めないとした。一方、標準的な機内持ち込みサイズに収まる小型ロボットや玩具は、既存の危険物規定を満たす場合に限り持ち込みを認める。

現時点で、米主要航空会社がヒューマノイドロボットや動物型ロボットを名指しで禁止した例は確認されていない。Southwest Airlinesの対応は、個人向けロボットの普及を受けて航空安全ルールの見直しが進み始めた動きの一例といえそうだ。

一方、航空業界全体がロボット活用に慎重姿勢を強めているわけではない。日本航空は東京・羽田空港で、Unitree Roboticsのヒューマノイド2台を投入する3年間の試験運用を始めた。

これらのロボットは、手荷物の積み込みやコンテナ搬送、客室清掃を担う。日本航空は、空港施設が車輪型の機械ではなく人の動線を前提に設計されているため、ヒューマノイド型を採用したとしている。二足歩行ロボットであれば、施設を再設計せず既存インフラの中で運用しやすいためだ。

また、日本では生産年齢人口が2023年から2060年にかけて31%減少するとの見通しも示されている。航空各社は、乗客として持ち込まれるロボットには一定の制限を設ける一方、空港業務の人手不足を補う作業ツールとしては活用を広げる可能性がある。

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