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ビットコインが下げ幅を広げ、8万ドルを割り込んだ。16日には一時7万7614ドルまで下落し、5月に積み上げた分の大半を失った。地政学リスクの高まりやインフレ再燃への警戒が重荷となる一方、デリバティブ市場では弱気ポジションの拡大も意識されている。

Cointelegraphによると、ビットコインは16日、一時7万7614ドルを付け、5月に入ってからの安値を更新した。7万8000ドルも下回り、相場は5月の上昇局面をほぼ打ち消す展開となった。

相場下落の背景には、米国債を巡る不安に加え、米国とイランを巡る緊張の高まりがある。市場では、こうした複数の不安要因が同時に意識された。

とりわけ、ホルムズ海峡を巡る動きが原油供給不安を強めた。これを受け、WTI先物は週の取引を1バレル100ドル超で終えた。

マクロ環境の悪化も、リスク資産全般の重しとなっている。Mosaic Asset Companyは最近の分析で、地政学リスクとマクロ面の不確実性が、リスク資産にとって逆風の環境を生んでいると指摘した。

さらに、インフレ再加速の可能性についても警戒感が広がっている。同社は、足元の動きが2022年半ばの物価急騰局面に似た展開となる可能性があるとみており、市場心理を冷やす要因になっている。

一方、ビットコイン市場では、8万ドルを下回った水準で売り圧力がなお続くかどうかを巡り、見方が分かれている。トレーダーのCryptic Tradesは、ここ数日の値動きは軟調だったものの、建玉が増加し、資金調達率がマイナスに転じた点に注目した。

同氏は、弱気筋が一段安に強く賭けていると指摘。そのうえで、市場構造はなお維持されているにもかかわらず、相場がすでに崩れたかのようにショートが積み上がっていると述べた。こうした状況は、一般にベアトラップ形成時にみられるパターンだとしている。

これに対し、なお下値余地があるとみる向きもある。エリック・コールマンは、ビットコインが上昇三角形を下放れた後、戻りを試す局面で再び押し返されたと分析し、短期の下値目安として7万5000ドル前後を挙げた。

チャート上でサポートとレジスタンスの転換が確認されれば、相場はさらに下の価格帯を試す可能性があるとの見方だ。

板情報ベースでは、より低い価格帯の流動性にも注目が集まっている。Cryptic Tradesは、足元の相場水準の下で最も近い注目ゾーンとして7万1000ドル台を挙げた。

同氏は、ビットコインが8万ドル近辺でのもみ合いを長引かせるほど、上下双方の流動性がさらに積み上がると指摘。最終的には、どこかの時点でより大きく、攻撃的な値動きにつながる可能性があると述べた。

市場の反応は、まだ一方向には傾いていない。地政学要因とインフレ懸念がリスク回避姿勢を強めるなか、デリバティブ市場では下落を見込むポジションの拡大が確認されている。

その半面、一部のトレーダーは、ショートの偏りがかえって反発のきっかけになる可能性もあるとみている。

短期的には、8万ドル台を回復できるかどうかに加え、7万5000ドル、7万1000ドルが主要な下値メドとして注目される。原油高と地政学リスクが引き続き市場を揺さぶれば、ビットコインの変動率はさらに高まる可能性がある。一方で、ショートポジションが過度に積み上がれば、短期的な反発余地も残る。

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