Microsoft 写真=Shutterstock

米著名ヘッジファンドのビル・アックマン氏とダニエル・ローブ氏が、2026年1〜3月期にMicrosoftとAlphabetを巡って対照的な投資判断を下したことが分かった。AI投資の拡大をどう評価するかが、両ファンドのポートフォリオに反映された格好だ。

米証券取引委員会(SEC)への提出資料などによると、アックマン氏率いるPershing Square Capital Managementは1〜3月期にMicrosoft株を新規取得した。一方、ローブ氏のThird Pointは保有していたMicrosoft株を全て売却し、代わりにAlphabet株を買い増した。

Pershing Squareは3月末時点でMicrosoft株を約565万株保有していた。評価額は約20億9000万ドルで、米上場株ポートフォリオの約5.3%を占める。Microsoftは同ファンドの主要保有銘柄の一つとなった。

アックマン氏はX(旧Twitter)への投稿で、Pershing Squareが2月からMicrosoft株の買い付けを進めていたと明らかにした。2026会計年度第2四半期決算の発表後に株価が相応に下落したことを、買い場と判断したという。

同氏は「決算発表後の大幅な調整を受けてポジションを構築し始めた」と説明したうえで、「予想PER約21倍の水準で取得できた。市場平均に近い一方、ここ数年のMicrosoftの平均的な取引水準は下回っている」と述べた。

これに対しThird Pointは、2022年末から保有していたMicrosoft株を1〜3月期中に全て売却した。あわせてAlphabet株を約17万5000株買い増した。Pershing Squareも同期間にAlphabetの保有比率を大きく引き下げ、その後に残りも全て売却したことが確認された。

両ファンドの投資判断が分かれた背景には、AI投資拡大への見方の違いがあるとの指摘が出ている。

アックマン氏は、Microsoftによる大規模なAIインフラ投資について、短期的なコスト負担よりも長期的な競争力強化を重視した。Microsoftの見かけ上のPERには、OpenAIに対する約27%の経済的持ち分の価値が十分に織り込まれていないとも主張した。さらに「Microsoft 365とAzureは、企業向けテクノロジー分野で最も価値の高い事業基盤の2つだ」と評価した。

Microsoftは今年、約1900億ドルの設備投資(CapEx)を計画している。データセンターとAIインフラの拡張に伴い、投資ペースは大幅に加速している。アックマン氏は、こうした支出を短期的な収益圧迫ではなく、長期成長に向けた基盤強化と捉えているとみられる。

一方、ローブ氏はMicrosoft株の全売却とAlphabet株の買い増しについて、具体的な理由を明らかにしていない。ただ、市場ではThird Pointの動きについて、ビッグテック内で個別銘柄の選別が一段と進んでいることを示すものだとの見方がある。

いわゆる「Magnificent Seven(マグニフィセント・セブン)」の中でも、AI投資負担とバリュエーションを巡る評価が分かれ始めたことを示唆している。

なお、両ファンドは1〜3月期にMeta Platforms株も新たに取得した。大型テック株全般への関心は維持しつつも、MicrosoftやAlphabetでは個別企業の投資妙味に応じて保有比率に大きな差をつけた形だ。

市場では今回の開示について、AI普及局面でヘッジファンドがビッグテックを一括りでは捉えなくなっていることを示したとの評価が出ている。Pershing Squareは企業向けソフトウエアとクラウドインフラでの競争力を軸にMicrosoftへ投資し、Third Pointは現在の株価水準ではAlphabetの上昇余地がより大きいと判断したとの見方がある。

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