写真=Strategy

Strategyの永続優先株「STRC」を巡り、投資家が商品に内在する構造的リスクを十分に織り込めていないとの指摘が出ている。満期がなく、換金には二次市場での売却が必要なため、流動性の低下や金利上昇局面では価格変動が大きくなる可能性があるという。

Cointelegraphが16日(現地時間)に報じたところによると、資産運用会社Build Marketsの最高投資責任者(CIO)、マット・ダインス氏は、Strategyの変動配当型シリーズA永続ストレッチ優先株(STRC)のような商品について、構造的に流動性リスクと金利上昇リスクを抱えていると指摘した。

論点の中心は、満期が設定されていない点にある。ダインス氏はメディアTFTCに対し、「企業には永続優先株の投資家へ元本を返済する義務がなく、条件を見直さないまま配当を払い続けることができる」と説明した。投資家が資金を回収するには、二次市場で保有分を売却する必要がある。

同氏は、こうした仕組みの下では、永続優先株の投資家が流動性低下と金利上昇のリスクを継続的に負うことになるとみている。関連リスクを事実上、恒常的に引き受ける構造だとの見方だ。

こうした懸念が浮上する一方で、STRCへの需要は拡大している。Strategyはビットコイン購入資金の調達を目的に優先株の発行を拡大しており、STRCの日次売買代金は先週木曜日に15億ドル(約2250億円)へ急増し、過去最高を更新した。暗号資産市場の調査会社Delphi Digitalによると、STRCの承認発行枠は約280億ドル(約4兆2000億円)とされる。

発行余地も今後の注目点となる。Delphi Digitalの調査チームは、承認枠が280億ドルに達する前に引き上げられなければ、Strategyのビットコイン買い増しペースが鈍る可能性があるとみている。現在流通しているSTRCは、額面ベースで85億ドル(約1兆2750億円)、時価総額は約84億ドル(約1兆2600億円)という。

価格と配当の設計も焦点だ。STRCは1株99ドル前後で取引され、配当利回りは11.5%。ただ、変動配当型のため、投資家が受け取る利回りは毎月変動する可能性がある。高利回りだけを見て投資した場合、金利環境の変化と二次市場の流動性悪化が同時に重荷となりかねない。

Strategyは、普通株主とSTRC保有者を対象に、配当支払いサイクルを隔月から月2回へ見直す議案の採決も進めている。STRCはビットコイン購入資金の調達手段であると同時に、市場の需要を測る商品としても注目を集めている。ただ、投資判断では売買代金の増加や配当水準だけでなく、満期がないことや、換金を二次市場での売却に依存する構造そのものも見極める必要がある。

STRCを巡る議論は、Strategyのビットコイン買い戦略が単なる資金調達の問題にとどまらず、商品の設計とリスク評価の問題にも広がっていることを示している。STRCへの需要が維持されれば、同社のビットコイン積み増し戦略を支える可能性がある半面、金利上昇と流動性低下が重なれば、投資家の負担は一段と増すおそれがある。

今後は、STRCの発行枠拡大の有無や配当構造見直しの結果、二次市場の流動性の変化が重要な注目材料となる。高い配当利回りは需要を呼び込む要因だが、満期のない優先株という特性を踏まえれば、投資家には利回りだけでなく、換金のしやすさや価格変動リスクの精査も求められる。

ダインス氏はXへの投稿で、「こうした永続型商品では元本を返す必要がなく、換金は完全に二次市場に依存する。流動性が細れば、デュレーションが極めて長い分、多くの投資家が想定する以上に価格のゆがみが大きくなる可能性がある」と指摘している。

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