ビットコインは戻り局面でも200日移動平均線が上値抵抗として意識され、7万7000ドル台で方向感を欠く展開が続いている。米消費者物価指数(CPI)と米生産者物価指数(PPI)の上振れに加え、利益確定売りが重荷となる一方、CLARITY法案の進展期待や米中首脳会談が相場の注目材料となっている。
17日、ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、ビットコインは前週までの上昇に一服感が出ており、7万7900ドル前後で取引されている。
週初めは、ドナルド・トランプ米大統領がイラン側の戦争終結提案を拒否したとの報道を受け、中東情勢を巡る警戒感が強まった。これを背景に、ビットコインも上値の重いスタートとなった。
その後は、米株式市場で人工知能(AI)関連銘柄を中心に買いが入り、米中首脳会談への期待もあって、リスク資産への選好が持ち直した。
ただ、ドル建てのビットコインが長期トレンドの分岐点とされる200日移動平均線に近づくにつれ、利益確定売りが優勢となった。12日以降は8万600ドル近辺から上昇幅を縮小し、同日に発表された米CPIが市場予想を上回ったことで、インフレ再燃への懸念も相場の重荷となった。
米PPIも市場予想を大きく上回った。インフレ懸念が改めて意識され、ビットコインは7万8000ドル台に押し戻された。
一方、14日に米上院銀行委員会でCLARITY法案が可決されると、市場はこれを好感した。ビットコインは8万1000ドル台まで急反発したが、この水準でも200日移動平均線が抵抗線として意識された。
市場の関心は、来週も200日線を巡る攻防に集まりそうだ。bitbankのアナリスト、ハセガワ・ユウヤ氏は、200日移動平均線について「長期トレンドの分岐点として強く意識されている」とした上で、明確に上抜ければ下落トレンド脱却への期待が高まる可能性があると指摘した。
その半面、この水準では過去の高値圏で買った投資家の戻り売りも出やすく、新たな材料なしに上抜けるのは容易ではないとの見方も示した。
規制面では、CLARITY法案が上院本会議で審議される可能性が意識されている。具体的な日程は決まっていないものの、本会議入りが見込まれているという。
6月中に議論が進むとの見方もあり、年内成立に向けて一歩前進したとの受け止め方も出ている。規制の不透明感が後退すれば、中長期的にはビットコイン相場の支援材料となり得る。
需給面も相場変動の要因だ。無期限先物取引では高値圏でショートポジションの積み上がりがみられる。200日線を明確に上回れば、ショートスクイーズを伴ってボラティリティが急拡大する可能性があるとの指摘もある。
上抜けが確認されれば、単なるテクニカルな反発にとどまらず、需給改善が同時に進む可能性もある。
もっとも、短期的には追加材料の有無がなお重要だ。米株式市場はAI関連への楽観と米中首脳会談への期待に支えられている一方、過熱感が意識されやすい局面に入りつつあることは重荷となる。
こうした中、米中首脳会談や中東情勢で前向きな進展が確認されれば、ビットコインの200日線突破シナリオを後押しする可能性がある。逆に、新たな好材料を欠けば、当面は200日線近辺で上値を抑えられたまま、高値圏でのもみ合いが続く公算が大きい。
ビットコインは当面、200日移動平均線を明確に突破できるかが方向性を占う焦点となる。規制の不透明感後退への期待やリスク資産選好は支援材料だが、インフレ懸念と利益確定売りは引き続き重い。市場は米中首脳会談、中東情勢、米物価指標を見極めながら、次の上昇材料を探る展開となりそうだ。