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韓国の主要ゲーム各社の1〜3月期決算で、業績の明暗が鮮明になった。グローバルで通用する有力IPや大型新作を持つ大手は閑散期にも過去最高業績を更新した一方、新作不在や新作の初動不振に直面した企業は赤字継続や収益悪化を余儀なくされた。業界全体の回復というより、企業間の業績格差が一段と広がった格好だ。

◆有力IPと大型新作が業績をけん引

業界によると、Nexonの1〜3月期業績は、売上高が1兆4201億ウォン、営業利益が5426億ウォン、純利益が5338億ウォンだった。売上高、営業利益、純利益はいずれも単一四半期ベースで過去最高。前年同期比では売上高が34%増、営業利益が40%増、純利益が118%増となった。

業績を支えたのは、「メイプルストーリー」フランチャイズと新作「アーク・レイダース」だ。「メイプルストーリー」フランチャイズの売上高は前年同期比42%増。昨年グローバル展開した「メイプル育てる」は北米・欧州や東南アジアで会社想定を上回り、「メイプルストーリー・ワールド」も台湾の旧正月商戦の効果で79%伸びた。

「アーク・レイダース」は1〜3月期に460万本を上積みし、発売から6カ月で累計販売本数が1600万本を超えた。海外売上高は前年同期比59%増と四半期ベースで過去最高を記録し、北米・欧州は4倍超、東南アジアなどその他地域も2倍超に拡大した。

Kraftonも好調だった。1〜3月期は売上高が1兆3714億ウォン、営業利益が5616億ウォンで、いずれも四半期ベースで過去最高を更新した。前年同期比では売上高が56.9%増、営業利益が22.8%増だった。

主力の「PUBG: BATTLEGROUNDS」フランチャイズの売上高は前年同期比24%増となり、四半期として初めて1兆ウォンを突破した。CFOのペ・ドングン氏は、滞在時間や課金ユーザー数、総ユーザー数がそろって増加し、継続的な収益拡大につながっていると説明した。

4〜6月期の滑り出しも堅調という。5月8日のパッチ後、日次の最大同時接続者数の平均は80万人から100万人に増加。新たに投入した「ゼノポイント」モードについては、既存バトルロイヤルの利用を食うことなく、ユーザー純増に寄与したとしている。

NCSoftの1〜3月期は、売上高が5574億ウォン、営業利益が1133億ウォンだった。前年同期比では売上高が54.7%増、営業利益は2070.1%増と大幅な伸びを示した。

2025年11月発売の「アイオン2」の売上高1368億ウォンが通期で寄与したことに加え、2026年2月発売の「リネージュ・クラシック」のヒットが押し上げ要因となった。「リネージュ・クラシック」の1〜3月期売上高は835億ウォン。発売90日で累計売上高1924億ウォンに達し、4月の新サーバー開設後も日次売上高の過去最高を更新しているという。

PCゲームの売上高は3184億ウォンと前年同期比210%増で、四半期ベースで過去最高を記録した。海外売上高比率も42%に拡大した。共同代表のパク・ビョンム氏は、通期売上高ガイダンスである2兆5000億ウォンの上限達成の可能性は高いとの見方を示した。

Pearl Abyssも、3月発売の新作「紅の砂漠」が寄与し、1〜3月期の売上高は3285億ウォン、営業利益は2121億ウォンとなり、四半期ベースで過去最高を達成した。前年同期比では売上高が419.8%増、営業利益が2584.8%増だった。

「紅の砂漠」単体の売上高は2665億ウォン。海外売上高比率は94%で、このうち北米・欧州が81%を占めた。コンソールとPCの売上構成比はいずれも50%で、マルチプラットフォーム戦略が奏功したという。会社側は、「黒い砂漠」の運営で蓄積したグローバル運営のノウハウと自社開発エンジンの技術力が、新作の立ち上がりを支えたと説明した。

好調だった上位企業に共通するのは、実績あるIPを継続的に収益化できていること、あるいはグローバル市場で通用する大型新作を売上に結び付けたことだ。新作の有無そのものより、ユーザー定着と収益の持続性を示せたかどうかが明暗を分けた。

◆黒字維持でも本格寄与はこれから

一方、Netmarble、Com2uS、Wemadeは黒字を維持しつつも、成長の勢いはなお限定的だった。

Netmarbleの1〜3月期は、売上高が6517億ウォン、営業利益が531億ウォンで、前年同期比ではそれぞれ4.5%増、6.8%増となった。ただ、主力新作2本の投入が四半期末に集中したため、1〜3月期業績への寄与はそれぞれ3%程度にとどまった。本格的な上乗せ効果は4〜6月期から表れる見通しだ。

Com2uSは売上高が1447億ウォンで前年同期比13.9%減となった一方、営業利益は51億ウォンと同206.9%増だった。KBO、MLBの野球ゲームラインアップ拡充に加え、マーケティング費を61.5%削減したことが利益を押し上げた。

Wemadeは営業利益85億ウォンを確保し、3四半期連続の営業黒字となった。「ミルの伝説2」を巡るIP紛争の終結に伴うライセンス収益や、ブロックチェーン関連売上高の増加、コスト削減が寄与した。ただ、会社側は、収益の持続性は下期の新作と中国展開の成否に左右されるとの見方を示した。

◆新作不在や初動不振が業績を圧迫

これに対し、既存IPの売上鈍化を新作で補えなかった企業や、新作の立ち上がりが想定を下回った企業は苦戦した。

Kakao Gamesの1〜3月期は、売上高が829億ウォン、営業損失が255億ウォンだった。売上高は前年同期比33%減。モバイルゲーム売上高も43%減の550億ウォンにとどまり、減収を補う新作を欠いた。既存タイトルの売上が鈍化局面に入る中、巻き返し材料と位置付ける「ODIN Q」は7〜9月期の発売を予定している。

Devsistersは新作を投入したものの、期待した成果にはつながらなかった。3月末に発売した「CookieRun: OvenSmash」の初動が低調だったうえ、「CookieRun: Kingdom」の5周年アップデート効果も会社想定を下回った。営業損失は174億ウォンだった。

新作投入そのものではなく、市場への定着に成功するかどうかが成否を分けた格好だ。会社は、チョ・ギリョン代表を含む経営陣の報酬を全額返上し、全社員を対象とした希望退職を実施するなど、非常経営体制に入った。

Webzenの1〜3月期は、売上高が393億ウォン、営業利益が53億ウォンで、前年同期比ではそれぞれ5.2%減、39.6%減だった。Webzenは、韓国ゲーム市場の急速な縮小によって国内業績が振るわず、全体の減収につながったと説明した。

海外売上高比率は初めて51%を超え、国内を上回った。一方で、営業利益の減少率が売上高の減少率を上回ったのは、固定費負担が残る中で国内売上の落ち込みが収益性を強く圧迫したためとみられる。

1〜3月期決算は、同じ閑散期でも企業によって結果が大きく分かれることを改めて示した。グローバル市場で継続的に収益を生むIPを持ち、新作を定着させる力のある企業は業績水準を一段と引き上げた一方、そうでない企業は減収と収益性悪化に直面した。

下期は、NCSoftの「アイオン2」のグローバル発売、Kakao Gamesの「ODIN Q」、Nexonの「ダンジョン&ファイター育てる」など主要新作の成否が焦点となる。業績格差の是正につながるのか、それともさらに広がるのかを占う材料になりそうだ。

業界関係者は「閑散期でも強い企業は引き続き強く、新作を投入しても振るわない企業は一段と厳しくなった」としたうえで、「結局は、グローバルで継続的な収益を生むIP構造を築けるかどうかが、中長期の生存を左右する」と語った。

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