Binance Researchは、世界の暗号資産利用者が2030年までに30億人に達する可能性があるとの見通しを示した。利用者数はすでに7億人を超えるものの、普及ペースは想定ほど加速しておらず、次の成長段階に進むにはプロダクト設計上の課題を解消する必要があると分析している。
ブロックチェーンメディアのCoinPostが15日(現地時間)に報じた。Binance Researchは、上場投資信託(ETF)の承認や機関投資家の参入、ステーブルコインを巡る法整備などの追い風が続いたにもかかわらず、暗号資産の普及の伸びは大きく変わらなかったと指摘した。市場へのアクセス改善だけでは、次の普及局面にはつながらなかったという。
成長鈍化の要因として挙げたのが、プロダクト構造に内在する4つの障壁だ。具体的には、オンボーディングの複雑さ、保有資産が活用されず眠っている状態、情報が分散して何を買うべきか判断しにくいこと、複数チェーン間の移動に伴う理解や操作の負荷の大きさを挙げた。これらが「次の10億人」の獲得を阻む最大の要因になっているとみている。
打開策としては、サービスの多層的な統合を提示した。決済、利息収益、クレジット、コミュニティー、メッセージング、AIベースの分析・実行機能が個別に分断されている現状より、単一サービス内に垂直統合する方が相乗効果を生みやすいとした。なかでも、AIとソーシャル機能の組み合わせが今後の普及拡大の中核になるとの見方を示した。
こうした構造的な障壁が解消されれば、世界のインターネット利用者の45%については、暗号資産の利用を妨げる理由が薄れる可能性があるとも指摘した。市場拡大の焦点は価格や制度面だけでなく、実際の利用体験をいかに簡素化し、統合できるかにあることを示した形だ。
あわせて、実物資産連動のRWAトークン化市場の拡大ペースにも言及した。市場分析では、2025年上半期に同市場が260%成長し、時価総額は230億ドルを超えたとしている。