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米最大級の送電網を運営するPJM Interconnectionで、卸電力価格がこの1年で倍近くに上昇した。独立市場監視機関の報告書で明らかになったもので、TechCrunchが5月15日(現地時間)に報じた。

それによると、電力1メガワット時(MWh)当たりの卸電力価格は、前年同期の77.78ドル(約1万1700円)から136.53ドル(約2万480円)に上昇した。Crain's Chicago Businessが先に伝えていた。

PJMの電力市場を監視する独立市場監視機関Monitoring Analyticsは、データセンター需要の急増に対し、PJM側の対応が十分に追いつかなかったことが主因だと指摘した。

同機関は、「顧客への価格ショックは非常に大きく、取り返しがつかない」とした上で、「データセンター負荷を巡る問題に適切な時期に対応できなければ、短期的な価格ショックはさらに拡大する」と警告した。

PJMは、データセンター建設が本格化した2022年、新規発電源の接続申請が数年分滞留していたことを理由に、新規案件の受け付けを停止していた。その後、最近になって受け付けを再開したが、この間にデータセンターの電力需要は急増した。PJMの管轄には、米国でもデータセンター集積地として知られる北バージニアも含まれる。

今回の価格急騰は、より根本的な課題も浮き彫りにしている。米国の電力網は、AI主導で膨らむ電力需要を前提に整備されたものではなく、供給力と産業側の需要とのギャップが広がっているためだ。

Monitoring Analyticsは、「PJMの現在の供給力では、大規模データセンターの需要を満たすには不十分であり、当面の間も十分とは言えない」と指摘している。

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