Teslaが、自動運転ロボタクシー「Cybercab」を米国各地に分散配備し、実走テストを本格化している。生産台数が限られる初期段階から広域で走行データを集める動きとして注目を集めている。
電気自動車専門メディアのCleanTechnicaが14日(現地時間)に報じたところによると、位置情報サービス「Cybercab Tracker」では、Teslaの新型自動運転車両がテキサス州オースティンのほか、アラスカやカンザス州ウィチタなど、地理条件の異なる地域で相次いで確認されている。
配備状況を見ると、本社のあるオースティンに34台が集中した。サンフランシスコ・ベイエリアには5台、シカゴには2台が配置されている。
このほか、ワシントンD.C.、バッファロー、ボストンでも各1台が確認されており、Teslaが全米規模で走行ネットワークの構築を進めていることがうかがえる。
今回の配備は、初期生産の段階としては異例の広域展開と受け止められている。業界では、TeslaがCybercabの一般公開に先立ち、さまざまな気象条件や道路環境で完全自動運転(FSD)の性能を検証する狙いがあるとの見方が出ている。
シカゴやボストンのような大都市に加え、アラスカのような厳しい環境までテスト対象に含めたのは、幅広い条件下でロボタクシーサービスを成立させるためのデータ収集とみられる。
中でも注目されているのが、アラスカやウィチタといった、自動運転の試験地としては一般的ではない地域での目撃情報だ。
アラスカについては、厳寒や積雪路での走行シナリオを検証する狙いがあるとみる向きがある。一方、ウィチタのような地域にまで車両を送った理由を巡ってはさまざまな見方が出ており、Teslaが特定の大都市に限らず、全米各地の一般的あるいは特徴的な道路環境を幅広く学習させようとしている可能性もある。
Cybercabは、これまで走行実績がほとんどない完全な新型モデルだ。そのため今回の動きは、商用化に向けた安定性を実道路で確かめるうえで欠かせない工程とみられている。少量生産段階の車両を各地に投入し、実環境での完成度を高める戦略という位置付けだ。
もっとも、こうして集めたデータだけで短期間のうちにロボタクシーサービスを実用水準まで引き上げられるかについては、市場で慎重な見方も根強い。
Teslaは、全米規模でのリアルタイム監視と走行テストを通じて、Cybercabの商用化の可能性を探っているもようだ。目撃車両の運行データの蓄積が進めば、同社が掲げる「ハンドルのないロボタクシー」の実現性も一段と見えやすくなりそうだ。