決済ソリューションを手がけるFinixは5月14日、無人・半無人店舗やセルフ注文環境向けの決済端末を発表した。Androidベースの端末で、EMVチップや磁気ストライプ、非接触決済に対応し、キオスク需要の取り込みを狙う。
フィンテックメディアのPynextraによると、今回の新製品は、無人店舗や半無人店舗、顧客が自ら注文・決済を行う環境を想定したハードウェアラインアップ拡充の一環だ。
小売、ホテル、外食業界では、非接触型のセルフサービスキオスクの需要が拡大している。Finixは新端末を、幅広い業種の事業者が使えるAndroidベースの決済機器と位置付けている。
操作性は一般的なタッチ操作に近づけた。薄型筐体と耐久性を両立し、利用者の多い現場での運用を想定する。
主な用途として、自動販売機、駐車場、無人小売などを挙げる。利用者は店員のサポートなしで決済を完了できるという。
対応する決済手段は、EMVチップ、磁気ストライプ、非接触決済。Apple PayやGoogle Payなどのモバイルウォレットにも対応する。
共同創業者兼CEOのリッチ・セルナ氏は、スタッフの有無にかかわらず、どこでも簡単に決済を受け付けられるようにすることが目標だと説明した。
同社は、無人環境でも通常のレジに近い決済体験の提供を重視する。セルナ氏は、顧客はキオスクでも従来のレジと同様、迅速で簡単な決済を期待しているとしたうえで、非接触決済からQRコードまで幅広い手段を受け付けられるよう設計したと述べた。
Finixは端末のスペックだけでなく、事業者側の運用のしやすさや設置の速さも訴求する。端末には同社の決済アプリをあらかじめ設定した状態で搭載し、初期設定の負担を抑えて早期稼働を可能にするとしている。
端末管理機能も簡素化している。パスワードで保護された設定インターフェースを用意し、複数台を運用する事業者が端末を管理しやすいようにした。
設置パッケージも無人運用の現場を意識した構成とした。4Gアンテナ、電源供給装置、取り付け用ハードウェアを同梱し、設置に必要な機材を標準でそろえた。
こうした構成により、現場への導入作業を簡素化する狙いがある。
今回の発表は、Finixが決済ソフトウェアにとどまらず、現場向けハードウェアへと事業領域を広げる動きといえる。無人決済の拡大が進む流通・サービス業では、対応可能な決済手段の幅と運用のしやすさが重視されており、同社がキオスクや自動化決済分野で事業者開拓を進められるかが焦点となりそうだ。