金融委員会は15日、トークン証券制度の施行を控え、発行・流通・決済に関する詳細な制度設計の検討を本格化すると明らかにした。店頭市場の認可要件や一般投資家の取引上限を含む市場の枠組みを詰めるほか、オンチェーン決済の実証に向けた準備も進める。
同委員会は同日、官民合同の「トークン証券協議体」第2回会合を開き、トークン証券の発行、流通、決済、関連インフラの制度設計の方向性を議論したと発表した。
協議体は、来年予定されるトークン証券関連法の施行に備え、技術・インフラ、発行、流通、決済などの詳細制度案を整備するため、3月に発足した。政府や関係機関、民間の専門家が参加している。
今回の会合では、金融委が7月の公表を目標に準備している関連施行令の改正案とガイドラインを巡り、主要論点を点検した。
まず、小口投資型(フラクション)証券の発行について、裏付け資産の適格性とイノベーション支援の方向性を議論した。小口投資は現在も電子証券の枠組みの下で多様な取り組みが進んでおり、今後トークン証券制度と結び付くことで一段と活性化するとの見方が示された。
あわせて、現在は認められていない裏付け資産のプール化による小口投資型証券の発行も検討対象とした。参加者の間では、同種資産など一定の範囲内では容認が必要だとの認識でおおむね一致した。
トークン化の対象拡大とインフラ整備も主要議題となった。世界的には、小口投資など新たな証券形態に加え、株式や債券といった既存の定型証券をトークン化する動きが広がっており、政府もこれに対応する準備を急ぐ方針だ。
もっとも、既存制度や既存インフラとの衝突を避けるため、全システムを一度に切り替えるのではなく、段階的なロードマップを精緻に設計する必要があるとの考えを示した。
政府と関係機関は、こうした方向性を踏まえ、オンチェーン決済を含め、証券の権利管理、取引、決済の各段階の高度化を見据えたテストとインフラ改善の準備を進める計画だ。
店頭取引所を軸とする市場構造についても意見を交わした。協議体では、店頭取引所の認可要件、兼業の許容範囲、投資家の取引上限などを議論した。
取引の効率性を高めつつ、公正な競争と投資家保護を両立できる市場構造を設計すべきだという点では一致し、詳細は今後さらに協議することにした。
トークン証券関連法の改正案で施行令に委ねられた、店頭取引所における一般投資家の取引上限については、初期段階の市場形成を過度に妨げない水準に設定すべきだとの意見も出た。
金融委員会のクォン・デヨン副委員長は「トークン証券の店頭取引所については、取引効率を高めながら、公正な競争と投資家保護が実現できる市場構造を設計することが政府の基本方針だ」と述べた。
その上で「取引上限が過度な参入障壁とならないよう、投資家保護の枠組みは整えつつ、初期市場の流動性を拡充できる方向で設定する」と説明した。
さらに「市場秩序と投資家保護は資本市場の基本前提として維持されなければならない」とした上で、「規制一辺倒ではなく、合理的な範囲でフィンテックと金融投資業界の革新的な取り組みを支援する」と語った。
トークン証券は、ブロックチェーンベースの分散型台帳を活用して発行・管理されるデジタル証券で、資本市場法上の証券に当たる。
1月に国会を通過した電子証券法改正案と資本市場法改正案は、下位法令の整備とインフラ構築を経て、2027年2月4日に施行される予定だ。