銀は1オンス89ドルまで上昇した一方、79ドル台への調整余地も意識されている。写真=Shutterstock

銀相場が1オンス89ドルまで上昇し、日足では上昇基調を維持している。一方で、短期チャートではモメンタムの鈍化が見られ、79ドル台まで調整する可能性も意識され始めた。

BeInCryptoによると、銀は14日(現地時間)、86.94ドル近辺で推移した。日足では、下降三角形の上限を上抜けた後も上昇トレンドを保っているという。

注目点は、日足と4時間足でシグナルが分かれていることだ。日足チャートでは、銀は7日に下降三角形を上放れし、フィボナッチ・リトレースメント0.382に当たる89ドル近辺まで上昇した。この水準は、2月以来初めて試す抵抗帯でもある。

相対力指数(RSI)も70に近く、過熱感を帯びつつも、中期の上昇トレンド自体はなお有効とみられている。

半面、短期チャートは調整入りの可能性を示している。銀は4日以降、上昇平行チャネル内で推移してきたが、足元ではチャネル下限に接近している。明確に下抜けたわけではないものの、4時間足のRSIは前日に上昇トレンドラインを下回って中立圏に低下し、MACDヒストグラムもマイナス圏に沈んだ後、下向きで推移している。

こうした動きを受け、市場では2つのシナリオが想定されている。89ドルを明確に上抜き、その水準を維持できれば、次の抵抗帯である101ドル近辺まで上値余地が広がる。逆に上昇チャネルを割り込めば、フィボナッチ0.5に当たる79ドル近辺まで調整が進む可能性がある。

マクロ環境も相場を左右する要因として残る。Finam Groupのアナリスト、アレクサンダー・ポタビン氏は、銀相場は単一の要因ではなく、マクロ経済、実需、供給制約が重なって動くと指摘した。

同氏は「銀価格は金融緩和、産業需要、限られた供給の影響を同時に受ける」としたうえで、「利下げが経済活動を刺激すれば銀価格の押し上げ要因となるが、景気減速や景気後退局面では金よりも敏感に反応する」と説明した。

アナリストのレムドカン氏は、短期的な分岐点として83.052ドルを挙げた。この水準を短期上昇トレンド維持のカギとなる安値と位置付けており、同じ時間軸ではRSIダイバージェンスがすでに上昇モメンタムの弱まりを示しているとの見方を示した。

上値の判断水準としては96ドルを重視した。日足終値で96ドル超えが続けば前回高値圏までの上昇が視野に入る一方、この水準で上値を抑えられれば、再び調整圧力が強まる可能性があるという。

下値では83ドルが短期トレンドの分岐点として示された。この水준を割り込めば、70〜65ドルゾーンが次の支持帯として意識される可能性がある。レムドカン氏は、このゾーンについてフィボナッチ上の支持と心理的な節目が重なる領域だと分析した。

さらに調整が深まる場合、日足ベースでは60ドルが長期の上昇構造を維持できるかどうかの重要な価格帯になるとしている。

当面の焦点は、89ドルの上抜け定着と83ドルの維持だ。終値ベースで89ドルを上回る展開が続けば、上昇トレンドの延長が確認される可能性がある。一方、83ドルを割り込めば、79ドル台から70ドル台にかけて下値余地が広がる公算が大きい。中期では101ドルが上値目標として意識されるものの、短期的にはモメンタム鈍化を先に織り込む見方が優勢となっている。

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