NVIDIAのH200供給再開観測が出る中でも、中国大手はAIインフラの国産化を進めている。写真=Shutterstock

TencentとAlibabaが、国産半導体や自社開発AIチップの活用を一段と拡大する方針を打ち出した。NVIDIAの中国向けH200の供給再開観測が浮上する一方で、中国の大手テック企業はAIインフラの国産化・内製化を加速させている。

CNBCなどの報道によると、両社は14日の決算発表で、AI向け半導体の調達・運用戦略を相次いで説明した。米国の輸出規制で先端GPUの調達に制約が続く中、自社チップと中国製半導体を組み合わせる体制づくりを急ぐ構えだ。

Tencentは、2026年の設備投資が大幅に増える見通しを示した。下期に入るにつれて中国で設計されたチップの供給が増え、投資を積み増すペースも速まるとみている。

ジェームズ・ミッチェル最高戦略責任者(CSO)は、中国製チップについて「月を追うごとに利用可能な量が増えている」と説明。中国製GPUの供給も年内に段階的に増えるとの見方を示した。

Alibabaも自社半導体の活用を広げている。クラウド事業を支えるデータセンターに自社AIチップを投入しており、経営陣は決算発表の場で、自社GPUチップが量産段階に入ったと明らかにした。

同社は、半導体調達に制約がある局面では、自社チップの活用拡大が売上高の成長と売上総利益率の改善にプラスに働くとの認識を示した。

さらにAlibabaは、自社チップを搭載したサーバをデータセンター構築企業に販売する案や、他社とデータセンターを共同で整備する案も示した。自社チップの活用領域を社外にも広げる動きといえる。

中国では、米国の輸出規制によってNVIDIA技術へのアクセスが制限される中、AIの自立に向けて国産チップの育成・採用拡大が進んできた。Moore Threads、MetaX、Huaweiなどの中国半導体企業は、NVIDIA製品の空白を埋める形で足元の売上高を伸ばしている。

もっとも、NVIDIA製チップの供給再開はなお不透明だ。ロイターは、AlibabaやTencentを含む一部中国企業によるNVIDIA H200の購入を米政府が承認したと報じたが、H200の供給が本格化する時期は依然として見通せない。

スコット・ベッセント米財務長官は関連する質問に対し、「初めて聞いた」と述べ、所管は米商務省だとの認識を示した。

NVIDIAにとって、中国市場を完全に手放すのは容易ではない。ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はこれまで、米国の輸出規制が同社の中国市場シェアに影響していると警告してきた。

フアンCEOは最近、ドナルド・トランプ米大統領とともに北京を訪れ、習近平国家主席が出席する行事に参加したこともある。

こうした状況を踏まえると、H200の取引再開は米国の輸出管理方針と中国側の判断の双方に左右される見通しだ。米国が形式上購入を認めても、中国企業が実際の発注に踏み切らなければ、NVIDIAの中国売上高の回復は限られる可能性が高い。

Counterpoint Researchのニール・シャー氏は、中国企業がより複雑な処理を担うエージェント型AIへ移行するにつれ、高性能チップの需要が強まっていると分析した。その一方で、中国のAI戦略は学習段階では国産チップ中心へ傾きつつあり、競争の軸も学習から大規模推論へ移りつつあると指摘している。

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