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Hondaは、電気自動車(EV)事業を縮小し、ハイブリッド車(HV)を軸とする戦略へ転換した。2026年3月期にはEV関連で約92億ドルの損失を計上し、2040年までにガソリン車を段階的に廃止するとしていた従来目標も撤回する。

EVメディアのElectrekが14日(現地時間)に報じたところによると、Hondaは2026年3月期にEV関連損失として1兆4500億円を計上した。これは同社史上最大の損失だという。

Hondaは3月、米国で進めていた新型EV3車種の計画を取りやめた。今回の戦略見直しでは、2028年までに投入する新型HV2車種も示した。HondaブランドのHVセダン試作車と、AcuraブランドのHV SUV試作車で、いずれも今後2年以内の発売を予定している。

会社側は戦略転換の背景について、新興EVメーカーに対抗できる価格競争力のある製品を投入できず、競争力が低下したと説明した。これに伴い、2040年までにガソリン車を段階的に廃止する従来目標も撤回した。代わって2050年のカーボンニュートラルを新たな目標に据え、EV、HV、カーボンニュートラル燃料、カーボンオフセット技術を組み合わせる方針へ切り替えた。

生産計画も見直す。Hondaは来年から、次世代HVシステムと専用プラットフォームを採用した新型HVを順次投入する。新システムでは燃費を10%以上改善し、現行HVシステムに比べてコストを30%以上削減するとしている。2030年までに世界でHV15車種を投入し、主力市場の北米ではDセグメント以上の大型HVを拡充する。

北米の生産体制も、EV偏重からHVと内燃機関車を含む構成へ見直す。Hondaはオハイオ州のEVハブで生産を予定していた純EV「0シリーズ」のSUVとセダン、Acura RSXの計画を取りやめ、同拠点をHVとガソリン車の生産に振り向ける。LG Energy Solutionとの電池合弁工場では、EV向け電池ラインの一部をHV向けに転換する計画だ。

大型のEV投資計画にも見直しが及んだ。Hondaの最高経営責任者(CEO)、ミベ・トシヒロ氏は、カナダ・オンタリオ州で進めていた150億ドル規模のEV工場計画を無期限で中断すると確認した。これに先立ちHondaは、米国でのEV事業再編費用が最大2兆5000億円に達する可能性があると警告していた。

業績への負担は当面続く見通しだ。Hondaは2026年3月期の営業損失が4143億円だったと公表した。EV戦略の後退に伴う総費用は2兆5000億円と試算しており、その大半は次の会計年度に反映される見込みとしている。EV関連損失の大部分は、2029年3月31日締めの会計年度までに解消する見通しだという。

今回の見直しで、Hondaの中長期ロードマップは大きく修正されることになった。EV移行のペースを落とす一方、収益性の高いHVの拡販で販売を下支えし、北米の生産体制や電池調達もそれに合わせて再構築する。EV投資縮小に伴う費用をどこまで早期に整理できるか、HV拡大で収益性を回復できるかが今後の焦点となる。

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