『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者、ロバート・キヨサキ氏(写真:Wikimedia Commons)

ベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者、ロバート・キヨサキ氏が、中東情勢の緊迫化と各国の国家債務拡大を背景に、インフレ進行と法定通貨の購買力低下に警鐘を鳴らした。あわせて、金、銀、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)の保有を改めて呼びかけた。

ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、キヨサキ氏は14日、X(旧Twitter)への投稿で、個人資産を目減りさせる要因として2点を挙げた。

1つ目は、イランを巡る中東情勢だ。関連する衝突が長引けば原油価格に上昇圧力がかかり、それが幅広い物価上昇につながる可能性があると指摘した。

イランはホルムズ海峡に面しており、同海峡は世界の原油輸送の約20%が通過する要衝とされる。紛争が拡大すれば、海峡封鎖や輸送障害への懸念が強まり、供給不安を通じて原油相場を押し上げる可能性があるとの見方を示した。

原油高はエネルギー価格にとどまらず、輸送費や製造コスト、食品生産コストの上昇にも波及する。キヨサキ氏は、こうした構造が最終的に法定通貨の購買力を弱めると主張した。現金のままでは、同じ金額で購入できる商品やサービスが減り、資産防衛が難しくなるという考えだ。

2つ目のリスクとして挙げたのが、国家債務の拡大だ。政府が財政赤字を埋めるために通貨供給を増やし続ければ、市場には「偽のマネー」があふれると訴えた。

増税や歳出削減が政治的に容易ではないなか、中央銀行を通じた流動性供給の拡大が繰り返されれば、通貨価値の希薄化は避けられないというのが同氏の見立てだ。

そのうえでキヨサキ氏は、金、銀、ビットコイン、イーサリアムを「本物のマネー」と位置付けた。これらの資産は購買力の維持、あるいは向上に役立つ可能性があると強調している。

投資姿勢については、「買えない」という発想は貧しい人の言葉であり、裕福な人は「どうすれば買えるか」を考えると説明した。単なる相場見通しではなく、資産配分そのものを見直すべきだというメッセージといえる。

今回の発言は、同氏がこれまで示してきた暗号資産と貴金属への選好を改めて確認する内容でもある。キヨサキ氏は以前から、金、銀、ビットコインを中心とした分散保有を繰り返し推奨してきたが、今回はそこにイーサリアムも加え、インフレ対応の資産として提示した。

足元ではマクロ環境の不確実性が高まっており、こうした発言は暗号資産を含む代替資産の役割を改めて意識させるものとなっている。一方で、同氏の主張は特定の投資タイミングを示すものではなく、インフレと通貨価値下落に備えるための資産防衛に軸足を置いたものだ。

今後は、中東情勢や各国の財政拡大の動きが、商品市況やデジタル資産への需要にどのような影響を及ぼすかが焦点となりそうだ。

キヨサキ氏はXで、「TAKE ACTION:インフレがあなたの資産を奪う2つの理由。1つ目は、イランでの戦争が続く限り、原油高がインフレを招き、法定通貨は購買力を失うこと。2つ目は、国家債務が政府に『偽のマネー』の増刷を促すこと。自分自身を守ってほしい……」と投稿した。

キーワード

#ロバート・キヨサキ #インフレ #金 #銀 #ビットコイン #イーサリアム #法定通貨 #中東情勢 #国家債務
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.