ビットコインが米インフレ指標の公表後に広がった下げをほぼ取り戻し、8万1000ドル台を回復した。米株が最高値を更新し、原油相場も上昇する中、市場ではリスク選好の強まりや流動性拡大が暗号資産の支えになっているとの見方が出ている。
Cointelegraphによると、TradingViewベースのBTC/USDは14日、ウォール街の取引開始前後に8万ドル台を回復した。ビットコインは前日、米インフレ指標の発表後に下落していたが、その下げ幅の大半を埋めた。
同日の米株市場では、金融引き締めへの警戒が残る中でも主要指数が堅調に推移した。S&P500種株価指数は過去最高の終値を更新した後も上昇基調を維持し、ダウ工業株30種平均は2月初旬以来初めて5万ポイントを回復した。原油もWTIで1バレル=100ドルを再び試す展開となった。
市場では、こうした動きの背景として投資家のリスク選好の強まりを指摘する声がある。市場分析会社The Kobeissi Letterは、米国のレバレッジETFの運用資産残高(AUM)が1770億ドルと過去最大となり、3月の底値以降で450億ドル増えた点を挙げた。
資金環境の面でも、リスク資産には追い風との見方がある。The Kobeissi Letterは、世界的なマネーサプライの増加基調が暗号資産を含むリスク資産の支援材料になっていると指摘した。米国のM2マネーサプライは前年から1兆ドル増の22兆7000億ドルとなった。中銀のタカ派姿勢への警戒とは別に、市場には流動性拡大を示すシグナルも出ているというわけだ。
短期的な値動きでは、テクニカル面のサポートが焦点になっている。トレーダーのダン・クリプト・トレーズは足元の水準を「重要な節目」と位置付けた。提示したチャートでは、4時間足の200日単純移動平均線(SMA)と指数移動平均線(EMA)が価格に追いつく形で上向いており、このゾーンを維持できれば戻りを試す展開が続く可能性があるとみている。
別のトレーダー、クリプヌエボも同様の見方を示した。50週指数移動平均線がサポートとして機能すれば、BTC/USDは数カ月ぶりの高値を試す可能性があるとした。クリプヌエボは前日にも、ビットコインが「最も重要な局面」にあると述べていた。
今後の焦点は、ビットコインが主要サポートを維持しながら新たな上昇材料を得られるかどうかだ。米株が最高値圏を維持し、流動性指標の拡大も続く一方で、インフレと金融政策を巡る不透明感は残る。市場では、8万ドル台回復を足がかりに8万5000ドル突破を試すかに注目が集まっている。