写真=科学技術情報通信部

韓国原子力研究院は、慶尚北道慶州にある100MeV級の線形陽子加速器について、2013年の稼働開始以来、13年間にわたり無事故で運用し、累計運転時間が4万時間に達したと明らかにした。

線形陽子加速器は、陽子を光速に近い速度まで加速して物質に照射する大型研究施設。半導体が宇宙や大気中の放射線環境で受ける影響を、短時間で検証できる。

韓国原子力研究院の陽子科学研究団は2024年9月から、従来の1日8時間運転から24時間運転へと体制を拡大し、試験支援体制も強化した。2025年には353人、210件の実験を支援したという。

同加速器は、先端産業分野での活用も広がっている。国内のメモリー半導体企業は、人工知能(AI)データセンター向けGPU用高帯域幅メモリーの開発過程で陽子加速器試験を活用し、サーバーチップの設計上の不具合の補完に役立てた。

その結果、エラー発生確率の改善幅は従来比で3倍を超えたとしている。

宇宙・航空分野でも活用が進む。国内企業が開発した半導体素子は、ヌリ号に搭載される衛星への適用に先立ち、陽子加速器による事前検証を実施した。これにより、宇宙環境での動作安定性を確保したという。

科学技術情報通信部の関係者は「陽子加速器は、国内の半導体・宇宙産業関連企業にとって、放射線影響評価や信頼性検証を支える不可欠なインフラだ」と説明した。

科学技術情報通信部は、産業界の需要増加や技術環境の変化に対応するため、陽子加速器の高性能化を進める。現在は100MeV級で運用しているが、200MeV級への高度化を視野に先行研究開発を進めている。

イ・ウニョン科学技術情報通信部研究成果革新官は「陽子加速器の累計運転4万時間の無事故達成は、国家大型研究施設の技術力と安定運用能力を示す成果だ」と述べた。そのうえで、「今後も国家戦略技術分野で、国内企業や研究者が必要な試験・検証インフラを安定的に活用できるよう支援を強化する」とした。

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