写真=DAgroundのペク・フンジョン代表

DAgroundは、ビットコイン積立サービス「Smafi」を軸に海外市場の開拓を進める。価格が低い局面では購入量を増やし、高値圏では抑えるアルゴリズムに加え、購入したビットコインを個人ウォレットへ自動送金する機能を前面に打ち出し、セルフカストディ層の取り込みを狙う。

「Ethereumは長期の貯蓄に向いた資産ではない。付加的な商品のレイヤーにはなり得るが、長期の貯蓄手段として使えるのはBitcoinしかない。希少性や中身を見ても、BitcoinとEthereumはあまりにも違う」

こう話すのは、DAgroundのペク・フンジョン代表だ。同氏は、ここ数年にわたり暗号資産分野で事業を展開する中で、価値保存や長期の貯蓄に適した暗号資産は最終的にビットコインに行き着くとの結論に至ったという。

DAgroundは当初、ビットコイン以外のいわゆるアルトコインも扱う暗号資産金融サービスを手掛けていた。だが、事業を深める中で、持続可能性の面からみてビットコインに集中するのが最も有力な選択肢だと判断したという。ペク代表は、自身について「最初からではなく、業界を経験した結果としてビットコイン・マキシマリストになったケースだ」と説明する。

同社は2021年、ビットコインを含む複数の暗号資産を預け入れ、利息収益を得られる中央集権型の暗号資産金融サービス「Sandbank」を立ち上げた。その後、2023年10月にSmafiを公開し、ビットコイン中心の事業へとかじを切った。

ペク代表は「暗号資産と既存金融をつなぐ役割を目指してSandbankを始めたが、モデルを磨き込むほど、代替になり得るのはBitcoinしかなかった。アルトコインは、先に入った人の損失を後から入った人に転嫁する構造で、活用事例も作れていない。壊れた法定通貨システムを改善できるのはBitcoinだけだ」と語った。

Smafiは、ビットコインに特化した積立サービスだ。暗号資産ウォレットを使いこなせるユーザーが、コスト効率よく継続的にビットコインを積み増せるよう支援することを主眼に据える。

中核となるのは、価格が下がった局面では多く買い、上昇局面では購入量を抑えるアルゴリズムと、購入したビットコインをSmafi内ではなくユーザー自身のウォレットに移せる自動化機能だ。ペク代表は「ユーザーが個人ウォレットのアドレスを登録すると、Smafi側で一定金額に達した時点で資産が自動的にウォレットへ送金される」と説明した。

類似サービスはあるものの、運用面の細部で差別化できているという。ペク代表は「取引所に依存しない自社プラットフォームを基盤に、ユーザーがウォレットで暗号資産を直接管理する『セルフカストディ』の自動化を支援する点が特徴だ」と強調した。Smafiは購入機能に特化しており、売却機能は設けていない。「ビットコイン積立の最適化に集中している」という。

収益源は大きく2つある。1つは、Smafiからユーザーの個人ウォレットへ自動送金する際の手数料。もう1つは、一部顧客から保有ビットコインの運用を受託し、収益を分配する仕組みだ。ペク代表は「保有ビットコインの運用を任せたい顧客が一部いる。これを活用してオプション取引などを行い、発生した収益を共有する」と述べた。

Smafiはウォレットを扱えるユーザーを想定しているが、実際にはウォレットを使いこなす層はまだ多くない。暗号資産取引所でコインを売買する人は多い一方、ウォレットで暗号資産を管理する人は依然として少数にとどまる。その分、Smafiが取り込める市場は相対的に限られるとの見方もあるが、ペク代表は海外に目を向ければ十分な市場規模があるとみている。

同氏は「Smafiはビットコインをセルフカストディする層を狙ったグローバルサービスで、対象ユーザーは世界で2億人規模に達する」と説明した。事業展開は国内より海外法人を軸に進めており、シンガポール法人を設立したのも、同国でライセンスを取得するのが有利だと判断したためだという。今後は欧州と米国でも、現地規制に対応する法人を設立する方針だ。

さらにペク代表は「グローバル市場には、アルゴリズムを使って取引所から安く買い付けて引き渡すサービスや、ビットコインウォレット事業者は多い。Smafiは一連の流れを作るサービスだ。ビットコイン愛好家の行動様式を一気通貫で支援することが重要で、買って増やし、ウォレットに保管する一連のプロセスを自動化する」と述べた。

ペク代表によると、ビットコインはすでに価値保存手段として定着しつつあり、足元では交換手段としての可能性も高まっている。今後は決済でビットコインが使われる事例も増えるとみている。

同氏は「ビットコインを価値保存手段として保有する人の母数が臨界点を超えれば、交換手段として使われる事例も増える」と指摘した。具体例として、モバイル決済プラットフォームのSquareがPOSにビットコイン決済機能を搭載したことを挙げ、「利用者はビットコインか法定通貨かを選んで支払え、加盟店側も望めばビットコインで受け取れる。こうした形で進化していく」との見方を示した。

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