NVIDIA株は中国向け事業への期待と目標株価引き上げを背景に上昇した。写真=Shutterstock

NVIDIA株が7営業日続伸し、13日には一時227ドル台まで上昇した。ドナルド・トランプ米大統領がジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)を訪中代表団に加えたと伝わり、中国向けAIチップ事業への期待が改めて強まった。

ブロックチェーン系メディアのBeInCryptoによると、足元の株高を支えているのは中国市場を巡る思惑だ。フアンCEOは12日、トランプ大統領の北京訪問に合わせた代表団に加わった。当初、NVIDIAは公式の随行団名簿に入っていなかったが、トランプ大統領がフアンCEOに直接連絡した後に日程が調整されたという。

中国はこれまで、NVIDIAのH200 AIチップへのアクセス拡大を求めてきた。フアンCEOも中国のAI市場規模を約500億ドルと見積もり、その重要性を繰り返し強調している。

一方、対中規制の影響は業績面にも及んでいる。トランプ政権が従来より厳格な輸出許可要件を導入して以降、NVIDIAは7月期に約45億ドルの影響を受けたとされる。フアンCEOは、中国向けAIチップ販売の制限によって、今後2〜3年で最大500億ドルの損失につながる可能性があると警告していた。

ウォール街では目標株価の引き上げが相次いだ。Bank of Americaのビベク・アリア氏は、NVIDIAの目標株価を300ドルから320ドルに引き上げ、2030年のAIデータセンター市場は1兆7000億ドル規模に達し得るとの見方を示した。

Wells Fargoのアーロン・レイカーズ氏は265ドルから315ドルに、Susquehanna International Groupのクリストファー・ロールランド氏は250ドルから275ドルにそれぞれ引き上げた。Citigroupは300ドルを据え置き、Oppenheimer Holdingsも265ドルの見通しを維持した。

テクニカル面でも強気シグナルが続いている。NVIDIA株は6日に強気フラッグの上放れを示した後、連日で上昇して取引を終えた。市場では、約32%の上値余地を織り込んだテクニカル上の目標として267ドル前後が意識されている。

ただ、資金流入の勢いは株価上昇ほど強くない。チャイキン・マネー・フロー(CMF)は0.24とプラス圏を維持したものの、4月末の高値以降は緩やかな低下傾向にある。株価は上昇している一方で、大口資金の流入にはやや鈍さもうかがえる。

オプション市場でも一部に警戒感がみられる。13日時点のNVIDIAのプット・コール出来高比率は0.32と、強気の上放れが確認された6日の0.29から小幅に上昇した。同期間の建玉比率は0.81から0.80へ低下した。プット取引は増えたものの、ポジション全体ではなおコール優位の構図が続いている。

短期的な分岐点としては227ドル近辺が意識されている。この水準は直近の上昇局面における0.618リトレースメントと重なる上値抵抗とみられている。市場では、終値ベースで227ドルを安定的に上抜ければ、235ドル、247ドル、267ドルまで上昇余地が広がるとの見方が出ている。

一方、207ドルを下回ると現在の上放れの形が弱まり、194ドルを割り込めば強気トレンドそのものが揺らぐ可能性があるとの分析もある。

市場の関心は、20日に予定されるNVIDIAの決算発表に移りつつある。中国向けAIチップ事業への期待とウォール街の目標株価引き上げが足元の株価を支えたが、実際の業績とガイダンスが今後の続伸か調整かを左右する焦点となりそうだ。

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